歯茎の変色について

みなさん、こんにちは。
大郷町歯科医院、院長の室月です。

今日は歯茎の着色、変色についてお話しをしていきます。

口腔粘膜における色素沈着は、内因性色素であるメラニン、ヘモジデリン、ビリルビンによるものと、外来性色素である金属や薬剤などによるものがあります。
いずれも褐色から黒色あるいは暗青色を呈します。
出血性疾患、ヘモクロマトーシスでは血液由来のヘモジデリン、黄疸ではビリルビンが口腔粘膜に沈着することがあります。
外来性色素沈着の原因となる金属として、水銀、銀、鉛、蒼鉛、アマルガムなどがあります。
水銀では歯肉縁が暗青色になり、蒼鉛では歯肉や粘膜に灰色から黒色の着色を認めます。

①生理的色素沈着

生理的色素沈着とは、病的意義のない色素斑、色素沈着をいいます。
先天的な色素斑は、口腔粘膜ではメラニンによるもので、歯肉によくみられ、多くは帯状に沈着します。
メラニン色素とよばれる、増齢に伴う色素斑は中年以降に出現し、頬、舌、口唇などの粘膜でもみられます。
メラノサイトでは、細胞内小器官であるメラノソームの中でメラニン生成が進行するため、蓄積したメラニンによって、細胞は黄色、黄褐色あるいは黒褐色を呈します。
このメラノソームは樹状突起を通じて隣接するメラニン産生能力のない基底層や有棘層下層のケラチノサイトに渡されます。通常、肉眼的な上皮の色はケラチノサイトに蓄積されたメラノソームの量で決まります。
メラニン色素の増加は、メラノサイトの増加、メラノソーム生成の亢進、ケラチノサイトでのメラノソームの異常蓄積、マクロファージの貪食による真皮でのメラノソームの増加によります。

②色素性母斑

色素性母斑は、神経堤由来の母斑細胞が増殖することで生じた類円形の淡褐色から黒褐色の境界明瞭な色素斑あるいは結節のことで、過誤腫的病変であります。
母斑細胞母斑ともよばれます。大きなものは生下時から存在し、小さなものは後天的に生じることが多いとされています。皮膚に生じ、口腔病変はまれですが、口蓋、頬粘膜、歯肉などでみられる、女性にやや多いです。
組織学的に母斑細胞が存在する部位によって、境界母斑、複合母斑、真皮内母斑に分類されます。
口腔粘膜に発症するものは真皮内母斑が多いです。
境界部母斑および複合母斑から悪性黒色腫に転化したと考えられる報告もあり、悪性黒色腫との鑑別が重要です。

治療としては、悪性化を考慮して切除を行い、 病理組織検査を行います。

③充填物、補綴物による色素沈着

充填部、補綴物を除去する際の金属片の飛沫あるいは金属の溶出によって歯肉周囲粘膜が青色に着色した病変です。
アマルガムの小片の埋入では、アマルガム刺青といいます。
組織学的には結合組織中のコラーゲン線維にアマルガム、あるいは金属の小片、微細顆粒の沈着をみます。
審美的に問題があれば、切除します。

いかがでしたでしょうか。
歯茎の変色というのは、様々な原因があります。

もし自分の場合どれにあてはまるのか?心配な方がいらっしゃいましたら、遠慮なくご質問ください。