みなさん、こんにちは。
大郷町歯科医院、院長の室月です。
今日は「味覚」についてお話ししていこうと思います。
味覚は、口腔内の味蕾の働きによります。
味蕾の分布はおもに茸状乳頭、有郭乳頭、葉状乳頭などの舌組織で、ほかに口蓋、扁桃、鼻咽頭にもあり、成人では約10,000個あり高齢になると減少すると言われています。
一般に、45歳以降で変性が起こり、 70歳以降では急速に減少します。
味蕾は味細胞よりなり、この味細胞に加わった味刺激は味神経に伝わります。
味覚信号は第VII(顔面)、IX(舌咽)、X(迷走) 脳神経を介して脳幹、さらに孤束核に至り、視床から大脳皮質の頭頂弁蓋· 島領域に終わります。
大脳皮質味覚域は大脳皮質臭覚域に近接しており、臭覚の影響を受けます。
有郭乳頭より前方で舌の前方2/3は舌神経(顔面神経経由の鼓索神経)により、また有郭乳頭、 葉状乳頭を含む固有舌の後方1/3は舌咽神経または迷走神経、軟口蓋は大錐体神経により支配されています。
味覚には、酸味、塩味、甘味、苦味の4つの基本感覚があるが、近年、うま味を入れた5つの基本味に分類する考え方が定着しつつあります。
酸味はいわゆる酸で、水素イオン濃度に比例します。
塩味はイオン化した塩により、この塩味は塩の種類により異なります。
甘味を起こすものには有機質が多いですが、単一物質ではありません。
苦味も甘味と同様に、 有機質が多く、うま味はタンパク質のシグナルであります。
さらに、おいしさについては個人の過去の食習慣に依存する部分もあります。
一般に、味の閾値は苦味>酸味>塩味・甘味の順に鋭敏に感じられるといわれています。
これは、本来の生体防御に関係があることが推測されています。
生物学的意義についていえば、鋭敏度の強い苦味は毒物の、酸味は腐敗物のシグナルともなります。
これらの基本的感覚により多彩な味覚を感じることができますが、それぞれの味蕾が単一の味を感受するのではなく、各味蕾は、強弱はあるものの、多少ともすべての基本的味覚に反応するといわれています。
味覚異常には、量的異常として完全な味覚喪失から種々の程度の味感度の低下まであります。
また質的異常としての味の変化、持続的な異常味の感覚 (異味症)などがあり、これらの症状を起こす原因には、次のことが考えられています。
① 神経性のもの
中枢神経系障害(味覚中枢のある視床、大脳皮質味覚領の障害)、味覚に関連する神経伝導路(第VII, IX, X脳神経または舌神経)の障害によるものです。
②口腔および隣接臓器の異常
種々の口内炎、口腔乾燥症、副鼻腔・咽頭疾患、歯科用金属による異常味覚、床義歯による味覚受容体の遮蔽によるものです。
③薬物の副作用
口腔乾燥の誘発、味覚関連神経の障害、唾液を介する薬物味などがあります。
④全身疾患
貧血、糖尿病、肝不全、ペラグラ、感冒などがあります。
⑤その他
心因性・精神障害、低亜鉛血症など、先天異常として味受容器の異常症(家族性自律神経障害、無糖味覚異常など)があります。
以上、さまざまな疾患や障害、副作用があるので、味覚障害の実態とともに基礎疾患、関連因子を検討して対処する必要があるといわれています。
いかがでしたでしょうか。
今回は「味覚」に関して、詳しくお話ししてきました。
近頃は寒さも増してきましたので、体調を崩されないよう皆様のご自愛ください。