要介護者の口腔ケアについて

こんにちは。大郷町歯科医院、歯科衛生士の高橋です。

まだ6月だというのに、連日、各地で25度を超える真夏並の暑さが続いていたかと思うと梅雨に入り肌寒さを感じる等、安定しない天候が続いて体が気温に追い付いていかない感じですね。

つい最近、陸上のサニーブラウン選手が100mで日本記録を更新し、またサッカーでは18歳の久保選手がA代表入りし試合に出る等、若い人たちが活躍し来年のオリンピックが楽しみになってきましたね。

さて、今回のブログは、要介護者の口腔ケアについて書かせていただきたいと思います。

 

要介護者の口腔ケアには、口の中の清掃と、口の機能訓練の2つの目的があります。

まず口腔ケアを始める前に、口腔内の状態を知ることが大切です。以下の点に注意しながら確認をしましょう。

①痛みが出そうな虫歯はないか。・・・虫歯に食渣(食後口の中に残った食べかす)が入りやすいため。

②不適合な被せ物はないか。・・・適合が悪いと食渣が入りやすいため。

③入れ歯の適合性はいいか。・・・適合が悪いと食渣が入りやすいだけでなく、入れ歯があたって粘膜に傷がつくため。

④歯ぐきに腫れや出血はないか。・・・ハブラシや補助道具を使う際に注意が必要なため

⑤粘膜の状態(口の中は乾燥していないか。口内炎などの有無。)に異常はないか。・・・ハブラシや補助道具を使う際に注意が必要なため

⑥顔面麻痺等はないか。・・・麻痺側に食渣が溜まりやすいため。

これらを確認することで、食渣が詰まりやすい場所やハブラシや補助道具を使う際に注意すべき場所等を事前に把握することができるため、短時間でポイントをおさえたケアを進めることができます。

 

次に、口腔内の確認が済んだら口腔ケアに入りますが、初めからケアをするのではなく、要介護者本人ができる範囲で歯磨きをしてもらいます。本人ができないところをカバーするかたちでケアをおこないます。入れ歯をいれている方は入れ歯の清掃も行いましょう。歯磨きは無理でも、うがいができる方は「ブクブクうがい」を、うがいも無理な方は、濡らしたスポンジブラシを使ってお口の中の食渣をできるだけ少ない状態にしてからケアを始めると効率よいケアが進められます。ハブラシ以外の補助道具(歯間ブラシやスポンジブラシ等)を併用して使うとよいでしょう。

口腔内の清掃が終了したら、唾液腺のマッサージも行いましょう。(耳下腺・・・耳たぶの前方。舌下腺・・・あごの下。顎下腺・・・耳の下からあごの先。)

お口の中の状態の良し悪しは要介護者の食欲や誤嚥性肺炎の予防にも繋がりますので、こまめな口腔ケアが大切です。