歯周病と誤嚥性肺炎の関係性

みなさん、こんにちは。
大郷町歯科医院、院長の室月です。

今日は歯周病と誤嚥性肺炎の関係について詳しく説明してきます。

食物、水分や口腔咽頭分泌物、逆流した胃液などが誤って下部気道に侵入することを誤嚥といい、誤嚥を原因として生じた肺炎を誤嚥性肺炎といいます。
誤嚥性肺炎は、胃内容物を嘔吐に伴い肺に誤って嚥下して生じる化学的肺炎と、口腔内細菌を不顕性に誤嚥して生じる細菌性肺炎とに分けられます。

1 誤嚥性肺炎と歯周病

誤嚥性肺炎と口腔衛生状態との関連性については、特別養護老人ホーム入居者を対象として、口腔ケアによる誤嚥性肺炎の予防効果を報告している研究データがあります。
しかし、歯周病原細菌あるいは歯周病自体が、誤嚥性肺炎の引き金となることを示す明確なエビデンスはまだ乏しいです。

2 考えられるメカニズム

不顕性誤嚥による細菌性肺炎の背景には、夜間睡眠中の嚥下反射、咳反射の低下と、口腔内細菌の増加が挙げられます。
日中の嚥下反射、咳反射は、かなりの高齢に達するまで保たれることがわかっています。
しかし、夜間睡眠中は、健常な高齢者でもこれらの反射能力が低下し、脳梗塞やパーキンソン病を有する患者ではさらに大きく低下します。
誤嚥する口腔内の細菌を量的に減らすことで肺炎の発症を防ぐことができると考えられているのです。

ただ、不潔な口腔内における歯肉縁上プラークが誤嚥され肺炎の原因となるということは容易に想像できますが、歯周ポケット内に潜む嫌気性の歯周病原細菌が誤嚥性肺炎の病態にどれほど関わっているかは不明です。

肺炎病変部から歯周病原細菌を検出したとする報告がある一方、誤嚥性肺炎は混合感染であることが多く、歯周病と誤嚥性肺炎の関連を証明するには、口腔衛生状態が良好な状況で歯周治療を行っている群および行っていない群を比較するような研究が必要と考えられています。

また、こういった条件下で、仮に歯周治療を行っている群の誤嚥性肺炎の発症率が低下するならば、歯周ポケット内に潜む歯周病原細菌がポケット外に出て肺に至るそのメカニズムの解明が必要となります。
将来的に、歯周病の治療というよりは、口腔衛生管理が誤嚥性肺炎の予防に大切であるという結論に至る可能性があるのです。

いかがでしたでしょうか。

歯周病の治療というのは、様々な疾患もケアされていることを忘れてはいけません。
改めて、定期な歯科受診の重要性をご理解いただけますと幸いです。