リスクファクターとは?

みなさん、こんにちは。
大郷町歯科医院、院長の室月です。
みなさんは、病気の「リスクファクター」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
よく歯周病や虫歯の説明の際に用いられる言葉でありますが、一体どのような意味で、それを理解することによって何が重要であるのか。
本日はそのことをお話ししていこうと思います。
まずは、疾患の病因は「十分病因」、「必要病因」、「リスクファクター」に分類されます。
十分病因とは、どんな状況においてもそれが存在すると疾患が発症する因子であり、一番強力な病院因子ですが、そのようなものは稀です。
必要病因は、症状発現のために必要なものですが、必須ではない点で十分病因に劣ります。
リスクファクターとは、その因子が存在することにより疾患が発症する可能性が高まるものであり、横断研究(ある一定期間に一定の集団を追跡調査し、どのような要因が疾患の進行に影響を与えるかを調べる研究)というもので立証され、直接的にその疾患が発症する確率を増加させ、この因子を排除すれば発症の確率は減少する因子と定義されています。
したがって、リスクファクターを解明、コントロール、除去することは、疾患の診断、予防、治療法の選択、開発に非常に重要になります。
リスクファクター以外の類似用語として、以下のようなものがあります。
リスクインディケーターとは、横断研究(ある時期のある集団で、疾患の重要度を比較調査する研究)では疾患との関連性が示されたものに対する用語で、潜在的なリスクファクターのことを指します。
またリスクプレディクター、あるいはリスクマーカーは、疾患の兆候であり、疾患との関係は認められますが、その時点では病因とは考えられない因子と定義されています。
さらに、リスクファクターが発症予知因子であるのに対して、予後因子はすでに発症している疾患の進行を予知するものとしています。
このような要因は先のリスクファクターとは厳密に区別して使うことが求められますが、現状ではリスクインディケーターもリスクファクターというように使用されている場合も多いです。
さて、今回はリスクファクターについてお話ししていきました。
リスクファクターという言葉を十分にご理解いただけたかと思われますので、それでは歯周病のリスクファクターにはいったいどのようなものがあるのでしょうか。
次回はそのことについて、詳しくお話ししていければと思います。