みなさん、こんにちは。
大郷町歯科医院、院長の室月です。
今回は、前々回の記事の続きとなります。
前々回は、歯周病の原因になりうる因子として、「細菌因子」と「宿主因子」と「環境因子」の三つのうち、「細菌因子」について説明させていただきました。
今回は残り2つとなる「宿主因子」と「環境因子」について説明させていただきます。
②宿主因子
宿主因子の中に局所性修飾因子というものがあり、局所性修飾因子とは歯周病の発症・進行に関係する口腔内の因子のことを指し、炎症性因子と外傷性因子からなります。
炎症性因子には、歯石、口呼吸、歯並びの悪さ、お口の中の形態異常などがあります。
外傷性因子には、歯ぎしりやくいしばり、舌や唇の癖、職業的習慣があります。
③環境因子
環境因子自体が歯周病を発生させることはありませんが、歯周病を発生しやすくなるリスクファクターとなり、喫煙、ストレス、肥満(食生活)などが挙げられます。
⑴ 喫煙
喫煙と歯周病との関連を調べた研究から、喫煙者には歯石が多く、深い歯周ポケットがみられて、歯槽骨の吸収が大きいことが明らかにされており、今や喫煙は歯周病最大のリスクファクターと言われています。
また喫煙により、歯周組織を修復する能力を低下させると言われています。
⑵ ストレス
ストレスは血中の副腎皮質ホルモンやカテコラミンを増加させ、免疫系の機能を低下させ歯周病の発症と進行に関係していると考えられます。
研究では、歯周病とストレスの間にはかなりの相関がみられますが、ストレス自体によって、歯周病が発症するという報告は少ないです。
⑶ 肥満(食生活)
肥満は多くの生活習慣病のリスクファクターとして認知されていますが、近年は肥満と歯周病の関連についても報告されています。
糖尿病が歯周病を増悪させることは書きましたが、肥満は2型糖尿病の重要なリスクファクターとなります。
肥満では、脂肪組織から分泌されるTNF-αという物質が破骨細胞を活性化させ、歯槽骨の吸収に影響していると言われています。
いかがでしたでしょうか。
様々な要因が重なって、歯周病というものが発症してしまいます。
歯周病の発症を防ぐ、あるいは進行を遅らせるには、定期的な歯科受診が非常に重要になっていきます。
リスクの早期発見による早めの対応により、防げる可能性が高いものとなります。
歯科受診の期間が空いている方や、歯科受診をされていない方などは、早めの歯科受診をお勧めします。