みなさん、こんにちは。
大郷町歯科医院院長の室月です。
さて早速ですが、今日は歯周病の原因やその症状についてお話していこうと思います。
歯周病は様々な原因が重なって、引き起こされる「多因子性疾患」と言われています。
その原因となりうる因子として、大きく3つに分類されます。
それは「細菌因子」と「宿主因子」と「環境因子」です。
歯周病は、歯の表面や歯周ポケットなどに形成されるプラークが主な原因となって引き起こされる感染症です。
プラークは歯肉縁上プラークと歯肉縁下プラークに分けられて、バイオフィルムというものを形成しています。
バイオフィルムの中には歯周病原細菌と呼ばれる特定の細菌群が存在していて、この細菌が直接的、間接的に歯周組織の破壊に作用します。
これが「細菌因子」です。
歯周病の発症・進行には細菌因子が大きく作用していますが、細菌因子が存在すれば発症するというわけではなく、それに加えて、生体側の感染防御機構などの「宿主因子」が関与しています。
歯周ポケットに歯周病原細菌が定着すると、生体は様々な感染防御機構を働かせて細菌感染から身を守ろうとします。
歯周組織には生体細胞が行き渡り、歯周病原細菌の刺激に対して、炎症反応や免疫反応などを繰り広げます。
こうして引き起こされた炎症反応によって、歯周組織の破壊につながり、歯周病が進行していきます。
これが「宿主因子」です。
また、歯周病は日常生活との関連性が強い生活習慣病の1つともされており、喫煙、ストレス、食生活などの環境が大きく影響しています。
これが「環境因子」です。
それでは、1つ1つ詳しく見ていきましょう。
① 細菌因子
お口の中には、500種類以上の細菌が生息していると言われています。
この中で、歯周病の発症に関与している細菌を歯周病原細菌と呼びます。
歯周病原細菌は様々な病原因子を持っており、生体細胞や歯の表面への定着、バイオフィルム形成などに関与する付着因子、生体の組織破壊に関する因子、生体の防御機構を阻害する因子を生産し、生体の防御機構を回避して、直接的あるいは間接的に歯周組織の破壊に作用しています。
歯周ポケット内のプラークは、歯周病原細菌の含み、バイオフィルムを形成しています。
バイオフィルムとは、細菌が付着や凝集により、層状になった最近集落であり、生体の防御機構に抵抗性を示して、生体の防御機構で完全に排除することができません。
よって、日々のセルフケアや、定期的な歯科受診が非常に重要になってきます。
いかがでしたでしょうか。
② 宿主因子、③ 環境因子の詳細については次回お話しできればと思います。