みなさん、こんにちは!
大郷町歯科医院、院長の室月です。
先日、お子さんの口の中で珍しい形の歯が生えてきて、「これって正常なの?」というご質問をいただきました。
結論としては、何か治療が必要な歯ではなかったのですが、虫歯になりやすかったり、今後その歯に起こりえるリスクを保護者の方に説明させていただきました。
お子さんにかわった形の歯が生えてくると心配になりますよね。
今日は、お子さんに生えてくるかわった形の歯についてお話ししていこうと思います。
・癒合歯
2個の歯の象牙質とエナメル質、あるいは2個の歯の象牙質とセメント質が融合した歯のことを言います。
歯の中の神経までくっついてしまっていることが多いです。
また、乳歯の下に控えている永久歯について、癒合歯の下には本来2本あるはずの永久歯が1本しかないということがあります。
癒合歯のあるお子さんには、レントゲンをとって永久歯の本数を確認することをオススメします。
・癒着歯
2個の歯のセメント質同士がくっついた歯のことをいいます。
癒着歯はそれぞれの歯に別々に神経が通っています。
癒着歯がある場合、歯のスペースが小さくなっているため、後から生えてくる永久歯の生えるスペースが狭く、歯ならびがガタガタになるケースが多いです。
また、2つのはがくっついて溝ができているため、そこに汚れが溜まり虫歯になってしまうことがあります。
そのような癒着歯があるお子さんには、溝の部分にシーラントを行い、虫歯予防を行うようにオススメしています。
・過剰歯
歯ができる過程において、正常の数より多くできてしまった歯のことを過剰歯といいます。
過剰歯の形は様々で、正常な歯と似ている形や、小さかったり、円錐形であったり、歪な形のものもあります。
よく生える部位としては、上の顎の正中にできることが多く、生えてくることもありますが、顎の中に埋まっていることもあります。
初めてレントゲンを撮ってみたら、埋まっている過剰歯があった!というケースも珍しくはありません。
過剰歯があった場合は、永久歯との三次元的な位置関係を確認した上で、抜歯が必要と判断した場合は、必要に応じて、専門機関に紹介することもあります。
そのままにしておくと、前歯の空きっ歯や歯ならびが悪くなる原因となる可能性があるため、いずれにせよ詳しい検査が必要となってきます。
・中心結節
これは歯の形ではなく、正常の歯の珍しく構造のお話です。
この中心結節は特に下の小臼歯の咬む面にみられる、円錐状の突起物です。
実はこの突起物の中には歯の神経が入っています。
咬んでいるうちにパキッと割れてしまうと、歯の神経が口の中に露出し、痛みが出たり、炎症が起こることがあります。
そのため、この中心結節を検診などで見た場合は、中心結節の周りをプラスチックの材料で埋めたり、シーラントを行い、補強をすることが多いです。
いかがでしょうか。
他にも多くの形態異常の歯がありますが、今回は実際にお子さんの口を診ていて、特に多い4つを取り上げさせていただきました。
100人のお子さんがいらっしゃったら、100通りの口の中があります。
お子さんの口の中を見て、
「あれ?この歯の形、ちょっとおかしいかな?」
と思った場合は、是非遠慮なくお声がけください!