老化と歯が喪失する原因

みなさん、こんにちは。

大郷町歯科医院院長の室月です。

夏の暑さが本格化してきましたね。

最近私は、冷たいお蕎麦やアイスクリームなどを食べて暑さをしのいでいます。

皆さんも自分なりの暑さ対策を講じて、暑い夏を乗り切っていきましょう。

さて、今日は老化と歯がなくなる原因について書いていきます。

誰しもあらがえない老化と、歯がなくなる原因はどのように関係しているのでしょうか。

歯がなくなる原因としては、虫歯や歯周病、外傷や腫瘍などの病的原因が挙げられます。

老化に関連した問題として、歯や歯周組織の加齢変化のみならず、高齢者における認知症や脳血管障害を伴う運動障害なども重要です。

これらの問題を抱えると、口腔内を清潔に保っていくことが難しくなり、その結果、虫歯や歯周病に罹患し歯を失ってしまうのです。

一般的に50歳を過ぎると、細胞の代謝活性、組織の反応、適応性などが急激に低下します。

しかし、加齢による生体組織の老化のみによって、歯がなくなることはありません。

つまり、実は老化が歯の喪失の直接的な原因となることはないのです。

生体組織の機能の低下によって、若い時には進行しなかった歯周病が短期間で進行したり、虫歯が広範囲に進行した結果、歯が失われることはしばしばあります。

しかし、歯周病や虫歯、外傷などが全くないのに歯が失われるということはないのです。

老化が進むと口腔内では様々な変化をもたらし、形態だけでなく機能的にも変化をもたらします。

たとえば、噛み合わせの力が減少してきたり、咀嚼能力の低下が挙げられます。

また高齢者に関しては、唾液の性質の変化、つまり粘り気や組成の変化、分泌量の減少などが起こるようになります。

以上のように、老化は歯や関係する周囲組織に起こりますが、そのことだけで歯を失うことはなく、病的因子の働きを増大する因子と考えられます。

歯がなくなる直接的な原因因子としては、先ほど挙げたように虫歯、歯周病、外傷、腫瘍などがありますが、虫歯や歯周病が病的な因子としてはたらくには、これらの疾患を助長する全身的な病的因子もあります。

糖尿病や肝臓の疾患の場合、体の抵抗力が低下します。

認知症や脳血管疾患による運動障害が生じると歯磨きが不十分になり、虫歯や歯周病の発生の原因となったり増悪因子となったりします。

虫歯にしろ歯周病にしろ、歯が失われたあとも抜歯の原因となったお口の中の環境はあまり変わっていないと考えます。

抜歯で歯が失われた場合、多くは抜歯に至るほどの虫歯が生じる口腔内環境であったと考えられて、歯が失われたあとも依然としてその状態が維持されていると考えるべきなのです。

歯周病に関しても同様です。

誰しもあらがえない老化によって、直接的ではないにしろ歯が失われないように、定期的な歯科受診というのを強くお勧めします。