みなさん、こんにちは。
大郷町歯科医院院長の室月です。
春の訪れを感じる日々ですね。
しかし、気を抜くと日中の寒暖差が激しい日もありますので、体調管理には気を付けて過ごしていきましょう。
さて、今日は加齢変化についてお話していこうと思います。
どうしてもお年を召されてしまうと、お口周りの機能が低下しています。
誰しも避けては通れない加齢変化の問題ですので、どのような変化がみられるのかお話ししていこうと思います。
① 顎関節
顎関節は、顎の骨の加齢変化や歯の喪失により形態や機能に著しい変化が生じるといわれています。
また、顎の靭帯などの軟組織にも緩みが生じるため、顎の運動範囲も大きくなります。
このような顎関節の加齢変化によって引き起こされるものとして、習慣性顎関節脱臼つまり顎が外れることが挙げられます。
この顎が外れることについては、脳梗塞、脳出血、認知症、パーキンソン病などの疾患を持つ人に発生頻度が高いといわれています。
これらの疾患と随伴して起こる慢性的な咀嚼障害、誤嚥性肺炎の誘発、また顎が外れることに対する疼痛のコントロールの困難性は、この高齢化社会において重要な治療課題となっています。
② 口腔周囲筋(お口周りに携わる筋肉)
筋力の低下も加齢変化の大きな特徴の一つです。
お口周りの筋肉では、加齢変化により嚙み合わせの力が減少したり、顎の運動および舌の運動の細かい動きがしにくくなります。
また歯がなくなってしまったにもかかわらず入れ歯をしていなかったり、噛む力を十分に発揮できない入れ歯を使っていると、筋肉の萎縮を起こすことがあります。
加齢に伴う筋肉の変化によって、筋肉量の低下や筋力が低下した場合にそれを「サルコペニア」といいます。
③ 味覚
味覚は食品中の味成分が噛むことによって唾液中に溶けて、舌や軟口蓋などにある「味蕾」という場所に存在する味細胞を刺激して、味覚神経を通って味覚中枢に伝達されることによって、味を感じます。
そのため、唾液が出にくくなったり、噛む力が弱くなったり、入れ歯によって粘膜が覆われることによって味を感じにくくなることがあります。
これまでの研究により、若年者と比較して高齢者の方は加齢によりしょっぱさを感じにくくなる傾向にあるといわれています。
また、加齢変化によって甘さを感じにくくなるということは比較少ないという報告もあります。
いかがでしたでしょうか。
誰しも避けては通れない加齢変化の問題ですが、定期的な歯科受診により、その「衰えの進行スピードをゆっくりにする」ことができる場合もあります。
特にお口周りの筋肉のトレーニング方法をお話ししたり、お口周りの筋力測定を保険治療内で歯医者さんで行うことができます。
対象となる方とならない方がいらっしゃいますので、ご興味のある方はわたくし、あるいは当院スタッフまでお気軽にお尋ねください。