みなさん、こんにちは。
大郷町歯科医院院長の室月です。
初夏だというのに、夏の暑さが本格化してまいりました。
水分補給などは徹底をして、体調管理に努めていきましょう。
さて、今日は発語障害、構音障害についてお話しさせていただきます。
皆さんは最近しゃべりにくいなと感じたことや、入れ歯を新調して話しにくいなと感じたことはないでしょうか。
そもそもヒトはどのように声や音を発しているのか、なぜしゃべりにくくなってしまうのか、そこのところをお話しできればと思います。
まず、音声を作る器官は、気管、喉頭、咽頭、鼻腔、口腔からなり、肺から口唇や鼻孔につながる1本の管として見ることができます。
呼吸によって作り出された空気の流れが音声のエネルギー源であり、主として横隔膜の上下運動により絞り出されます。
その後、肺から出された空気の流れが声帯の動きによって振動を起こして音が作られます。
この過程を「発声」と呼ぶのです。
さらに声門より上の部分である咽頭、口腔、鼻腔の部分を声道と呼び、声道の形を変化させることによって「構音」、つまり様々な音が作られるわけです。
この構音において最も積極的に活動を行うのは、舌、口唇、軟口蓋であり、口周りの構造が果たす役割は非常に大きいのです。
さて、ここで言語音の分類をさせていただくと、まずは母音と子音に大別されます。
母音は声帯の振動を伴い、舌の位置や下顎の位置、口唇の形態によって規定される音です。
子音は、呼気が口を通過するときにその流路が妨げられ、その妨げられる構音の方法と構音の部位により分類され、さらに声帯の振動のあるなしによって有声音と無声音に区別されます。
構音の方法とは各器官がどのように音を作るのかということで、破裂音は声道の途中をいったん遮断して呼気をせきとめて、急に開放することによって作られる音で、摩擦音は声道の一部を狭窄させて、ここを呼気が流出するときに乱流を起こしてできるものです。
また破擦音は破裂の直後に摩擦が持続した音で、弾音は呼気によって弾くようにして発する音を言います。
なぜ音の出し方のお話をしているかというと、構音方法と構音部位を把握していると、入れ歯の治療における「しゃべりづらさ」に対応できるからです。
例えば、入れ歯のある部分が分厚くて、発音しづらい音があるとします。
その発音しづらい音の出し方や、舌が当たる部位などを把握していれば、入れ歯を調整するべき部位がある程度分かってくるわけです。
もし入れ歯を入れてみて、しゃべりづらさを感じた場合、具体的に何の音がしゃべりづらいのか教えてください。
それによって、検査をしたうえで、入れ歯の調整を進めてまいります。
ただし入れ歯を入れた直後というのは違和感が非常に強く、まずは慣れていただくということが大前提となります。
入れ歯の調整につきましては、この場合に限りませんのでご了承ください。
なにかご不明な点がありましたら、その都度遠慮なくお尋ねください。