「歯周病」と「全身疾患」の関係

こんにちは。大郷町歯科医院、歯科衛生士の高橋です。

3月になりましたね。暦の上では春ですが3月に入った途端寒い日が続いたり、風邪が強い日が続いたりと落ち着かない天気です。風が強いというのも春が近づいている証拠だと思います。花粉症の方にとっては辛~い季節の到来となりますね。先日鼻につけるマスクというものを初めて知りました。マスクや薬が苦手という方にお勧めだそうです。いろんな対策グッツがあるようです。ご自身に合った対策で辛い季節を乗り越えてください。

さて、今回のブログは、「歯周病」と「全身疾患」の関係について書かせていただきます。

初めに「歯周病」について説明します。

「歯周病」とは、口腔内の細菌(歯周病菌)と口腔内の汚れ(歯垢)が原因となり歯ぐきの腫れや出血が起こりさらに炎症が進むと、歯を支えている骨(歯槽骨)が無くなったりする慢性の炎症性疾患です。炎症が進行すると最終的には歯が抜けてしまうので、食事や会話、審美的にも影響が出るため、日常生活に支障が生じます。軽度の歯肉炎を含め成人の約8割の方が「歯周病」に罹患していると言われています。

次に、「歯周病」と「全身疾患」の関係についてお話します。

①糖尿病

・細菌に関する抵抗力の低下や口の渇きが「歯周病」を悪化させる原因となる。

・「歯周病」により歯周ポケットから出た炎症物質が、血糖値を下げる働きをするインスリンを効きにくくするため、糖尿病の発症及び進行を促進する。

②心臓病

・歯周病菌が血流にのり心臓の血管壁が炎症を起こすため、炎症部分が動脈硬化を起こし心筋梗塞や狭心症の原因となる。

③肺炎

・唾液等を介して歯周病菌が肺に入ることで炎症を引き起こす一因となることがある。

④歯周病にかかっている母親は低体重児出産や早産の可能性が高い

・妊娠すると女性ホルモンの中のひとつが歯周病菌の増殖を促したり、つわり等で食生活が不規則になり口腔内の清掃状態が悪くなると「歯周病」にかかりやすくなる。「歯周病」にかかると、「歯周病」から出る炎症物質や歯周病菌の毒素が子宮の収縮を促進させる働きがあり早産になるリスクが高くなる。

これらのことから、「歯周病」は歯に関する疾患だけではなく、全身に影響を及ぼす疾患であることが解ります。

「歯周病」の初期は自覚症状があまりないため、罹患していることに気づかず進行してしまうことがよくあります。初期の段階では、歯磨き等での改善が期待できますので、初期の歯肉炎等を見逃さないためにも、定期的な検診をお勧めいたします。