高齢者や要介護者の口腔ケアについて

あけましておめでとうございます。大郷町歯科医院、歯科衛生士の高橋です。2024年がスタートしました。今年のお正月はいかがでしたか。能登半島地震で被災された皆様には心よりお見舞い申し上げます。東日本大震災を経験した私は当時のことが蘇り毎日不安と闘いながら過ごしたことを思い出しました。まだまだ寒さも続きます。どうかお身体には十分ご留意され一日も早い復興を心から願っております。

さて、今回は「高齢者や要介護者の口腔ケア」について書かせていただきます。

 

「口腔ケア」は誰でも必要で且つとても重要です。口は身体の一部であり、食事をすることで体力の維持向上・健康な身体の保持。また会話をすることでコミュニケーションを図り豊かな生活を送ることができます。口は食べ物の入り口ということもあり栄養と適度な温度、そして唾液による湿度が保たれているため、細菌が繁殖しやすく口腔ケアを怠ると虫歯や歯周病にかかりやすくなります。口腔内を清潔に保つことは飲み込む機能が低下している高齢者や要介護者の「誤嚥性肺炎」の予防のひとつとなります。

では自分で口腔内をきれいにすることができない方の口腔ケアはどのように行えばよいのでしょう。

①口の中のおおまかな汚れを取り除きます。

②うがいができる人にはうがいをしてもらいます。この際、むせたり誤嚥の恐れもあるので口の中に入れる水の量には十分注意をします。うがいをすることの声掛けも忘れずに行います。

③うがいができない場合は、スポンジブラシ(水気は十分に取りましょう)や口腔用ウエットテッシュで拭きとります。

④歯がある人はハブラシを使って歯の汚れをとりましょう。歯と歯ぐきの境目にハブラシの毛先をあて小さく動かしやさしく丁寧に磨きましょう。可能であれば、歯と歯の間に歯間ブラシも使いましょう。この間もよく観察し常に声掛けをしながら行っていきます。

⑤歯みがきした後にはうがいをしてもらいます。ここでも誤嚥等には十分注意しながら行います。

⑥歯がない人は、スポンジブラシや口腔用ウエットテッシュで粘膜をきれいに拭き取ります。

⑦舌ブラシを使い舌の汚れも取りましょう。

⑧入れ歯を使っている人は、入れ歯の清掃も忘れず行います。

 

口腔ケアを効果的に行うためには、ハブラシの他にスポンジブラシや歯間ブラシ・舌ブラシや指ガード等の補助的用具を活用することをお勧めします。お口の中がきれいになるだけではなく、飲み込みやむせる等のお口の機能の改善にも繋がるので無理なく継続する事が大切です。