皆さん、こんにちは。大郷町歯科医院の院長、嶋です。
8月も終わりに近づき夏男の自分も秋のモードに入ろうと思っております。とは言ってもなかなか涼しくはならないですね。
昨年からやり始めた(とは言っても1回しかやってませんが)SUPを今年は2回やる予定です。1回はやってきましたが。自分の愛犬と共に水の上にボードで乗って水面を漕ぐととても気持ちがいいです。ぜひ皆さんも機会があればSAP体験してみてください。
今回も窒息についてお話ししていきます。
交通事故より怖い窒息事故
窒息事故は、あまり多くないと思っていませんか。 テレビのニュースで窒息事故が報道されるのは、お正 月に多くの人がもちを詰まらせたとき、有名人が死亡 したときくらいで、ほとんど世間の話題にはなりません。
しかし、窒息事故は年々増加しています。 死亡者数 は9194人(2017年)で、不慮の事故でもっとも多い死因が窒息事故です。 交通事故による死亡者数 が5004人(2017年)ですから、交通事故のほ ぼ倍近くの人数が、窒息事故で亡くなっていることに なります。そして、その死亡者の8割以上は、「飲み こみ力」が弱くなった56歳以上の高齢者です。
つまり、窒息事故が増えている理由は、高齢化で「飲 みこみ力」が弱くなった人が増えたからなのです。
窒息の原因
では、どうして、窒息事故が起こるのでしょうか? 本来であれば、飲みこんだ瞬間、喉頭が上に動き、 声門(気管の入り口)は喉頭蓋の後ろに隠れるので、 異物が気管に入りこむことはありません。
①喉頭が上に動くタイミングがずれる
喉頭が上に動くタイミングがずれてしまうと喉頭が上に動くスピードが遅くなったり、のどの感覚が鈍くなったりすると、食道が開くタイミングが合わなくなり、異物が気管に流れこんでしまいます。
②喉頭が十分に上に動かない
喉頭がしっかりと上に動かないと、声門を喉頭蓋で しっかり隠すことができません。そうなると、異物が 気管に入りこんでしまいます。
誤嚥誤飲事故を予防しよう
誤嚥誤飲事故を起こさないためには、次のことに注意しましょう
食べものを、飲みこめる形や大きさに整える
もちやご飯など粘り気が強い食品は、飲みこめる大 きさにするまで、何度もかまなくてはなりません。し かし、年をとるとかむ力も弱ってくるために、適切な 大きさまで砕くことができません。かたまりのままの どを通って気管に入ると、その粘り気のせいで、咳を しても吐き出すことができず、窒息してしまうのです。
また、飴やコンニャクのように硬くて表面がなめらかなものも、すぐに気管に到達してしまうため、窒息 しやすくなります。
次回は飲み込みやすい食べ物についてお伝えしていきます。
参考文献 メイツ出版 「のどを鍛えて誤嚥性肺炎を防ぐ 嚥下トレーニング」