誤嚥性肺炎の予防 51

皆さん、こんにちは。大郷町歯科医院の院長、嶋です。
暑くないですか?!今年は異常気象ですね。連日35℃以上の猛暑日が続いています。外が暑いので室内を涼しくしているのですがその温度差が10℃前後ありますね。体もそれに順応しようとしておかしくなっています。体調管理はしっかりして水分も摂っていきましょうね。
さて今回は、肺炎にかかるとどうなるのかをお話ししていきます。
肺炎をくり返すと、抗生剤が効かなくなる
肺炎になっても、抗生剤の投与でよくなるから大丈夫と思われるかもしれません。しかし、最初は、抗生 剤の投与で改善しても、肺炎をくり返すとだんだんと 薬の効果はなくなってきます。理由は3つあります。
1つ目は、肺炎をくり返すと、抵抗力が弱くなる からです。抵抗力が弱くなると、抗生剤で細菌を減らせてもなかなか病気を治せません。
2つ目は、炎症が続くと、肺の組織が変化してし まうからです。 けがをして傷ができると、治っても痕 がのこります。それは、傷が治る過程で「線維化」と いう現象が起こってしまうからです。同じように、肺炎をくり返すと、肺の組織が線維化を起こして、感染に弱い構造になってしまうのです。
3つ目は、抗生剤が効きにくい細菌が出現するからです。抗生剤を使い続けると、細菌が抵抗力をもっ てしまいます。このような細菌を耐性菌といいます。 MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)は耐性菌 の代表例です。うまく飲みこめないかぎり、誤嚥性肺炎は何度もくり返します。 くり返しているうちに、抗 生剤がどんどん効かなくなってしまうのです。
窒息今度は窒息についてお話ししていきます。
窒息は、もっとも多い死亡事故
窒息とは、大きな異物が気管に入ってしまい、呼吸 ができなくなってしまうことです。
誤嚥性肺炎と同様に、窒息も「飲みこみ力」が弱くなることが原因です。飲みこむタイミングが悪いと、 本来、食道に送りこまれるべきものが、間違って気管に入ってしまいます。 気管に入る異物が小さければ、 むせてすぐに吐き出すことができます。 しかし、 異物 が大きいと気管が詰まってしまいます。気管は空気の通り道ですから、詰まってしまうと息ができません。
空気中の酸素は、脳細胞にとって不可欠で、5分間 肺に酸素が届かないと、脳細胞はすぐに機能しなくなってしまいます。脳細胞の死は、人の命の死を意味します。
ですから、窒息は絶対に防がなければならない事故なのです。

参考文献 メイツ出版 「のどを鍛えて誤嚥性肺炎を防ぐ 嚥下トレーニング」