誤嚥性肺炎の予防 50

皆さん、こんにちは。大郷町歯科医院の院長、嶋です。
いよいよ東北も梅雨が明け、皆さんは夏休み!(子供達)。ただめちゃめちゃ暑くなってきてますよね?皆さんは暑さ対策はしていますか?自分は体を洗うときにスースーするボディソープを使ったり、汗拭きシートをスースーするやつで拭いたりしてなんとか暑さを凌いでおります。皆さんも熱中症にならないように水分補給をしっかりしてくださいね。
今日は知っておきたい肺炎予防の知識についてお伝えしていきます。
どうすれば、誤嚥性肺炎を予防できるのでしょうか。
誤嚥性肺炎を予防するためには、「飲みこみ力」を改善するしかありません。
ほかの方法でも、誤嚥性肺炎に対処できるのでは? と思うかもしれません。しかし、「飲みこみ力」を改 善する以外の方法では、不十分です。
予防接種では誤嚥性肺炎を防げない
肺炎を予防しましょう」と宣伝する、ワクチンのC Mをよく見かけます。たしかに肺炎球菌を予防するワ クチンは、高齢者の肺炎に対してある程度の効果があ ります。55歳以上に起こる肺炎の約30%が、 「肺炎球菌」 で、原因菌のなかでいちばん多いからです。 しかし、残りの70%の細菌は予防できませんし、複 数の細菌が感染していることも多いのです。 そもそも、肺炎球菌ワクチンは、 急性肺炎に対しての効果について、まだはっきりとした評価が得られていません。 しかも、誤嚥性肺炎の場合、 肺炎球菌とは 異なる性によって起こることが多いので、ワク チンで予防することはほとんどできないのです
口の中をきれいにするだけでは、 誤嚥性肺炎を防げない
口の中をきれいにすると誤嚥性肺炎にかからない。 と考えている専門家もいます。
たしかに、口の中をきれいにすると、唾液中の細菌 は減るので、唾液が気管の中に入っても、肺炎にかかりにくくなります。また、口に刺激をあたえるので、 感覚を高めることができます。
しかし、口の中をきれいにしても唾液が気管に流れ こむのを防ぐことはできません。 気管に入る唾液の量 が増えれば、それだけ肺炎にかかる可能性が高まりま す。また、食べものや飲みものが気管に流れこんでし まうと、すぐ肺炎にかかってしまいます。
口の中をきれいにすると、誤嚥性肺炎を減らすこと はできます。しかし、「飲みこみ力」を維持できてい なければ、誤嚥性肺炎を予防することはできません。
次回は肺炎にかかるとどのようになるかについてお話ししていきます。
参考文献 メイツ出版 「のどを鍛えて誤嚥性肺炎を防ぐ 嚥下トレーニング」