「噛む力と健康寿命」について

みなさんこんにちは。大郷町歯科医院、歯科衛生士の高橋です。

今年も半年が過ぎあっという間に7月となりました。今月に入ってから九州北部では複数の線上降水帯の影響で被害がでるほどの記録的な大雨となりました。一方関東地方では人間の体温を超える危険な暑さの猛暑日が続き「熱中症警戒アラート」が発表される等、地球温暖化による影響が出ています。まだまだ暑さは続きますので体調管理には十分気をつけていきましょう。

さて、前回は「噛むことの大切さ」について書かせていただきましたが、今回は「噛む力と健康寿命」について書かせていただきます。

 

ここで言う「噛む力」とはギュ-ット強く噛む力のことではなく食べ物を噛み砕き小さくし飲み込みやすい大きさにすることを言います。

また「健康寿命」とは自立した日常生活ができる期間のことを言います。高齢になると筋力や身体能力の低下はさけて通れない問題ですが、このような状況の中でもあまり他人の力を借りずに元気に過ごすことができる時間を少しでも長くし(健康寿命)寿命の質を高めていきましょうと言われています。

この「健康寿命」を長くする要因の一つに「噛む力」が関わっているのです。

食べ物が飲み込みにくくなる、むせる、滑舌が悪くなる等口に関する機能が低下すること(オーラルフレイル)は食事の摂取に大きく影響します。特に高齢者は虫歯や歯周病が原因で歯を失くし残存歯数が少ないため上手く噛めなかったり、口の周りの筋力の低下により噛む力が弱まり食べこぼしや食事中にむせてしまう等の症状があると無意識のうちに食事の量が減ってしまいます。結果エネルギーの摂取が少なくなるため身体活動量が低下し身体の衰えへと繋がっていきます。

では口腔機能の低下を防ぐためにどのようなことに気をつけていけばよいのでしょうか。

① 歯の喪失の原因である虫歯や歯周病にかからないために口腔内を清潔に保つ。(食後の歯磨き)

② 虫歯や歯周病になったら早目に受診し治療を行いその後は予防のために定期健診や歯のクリーニングを行っていく。

③ 噛みごたえのある食材や食物繊維の多い野菜等を積極的に食べるようにする。

④ よく噛んで食べることを心がける(よく噛むことで唾液が出て食べ物を飲み込みやすい形にする)

⑤ よく会話する(ゆっくり・はっきり・大きな声で)ことで口の周りの筋肉を鍛える。

人生100年の時代です。寿命の質を高めるため「健康寿命」を心がけ、できることから始めていきましょう。