新年明けましておめでとうございます。誤嚥性肺炎の予防 37

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
大郷町歯科医院の院長、嶋です。
昨年は寒波が各地に来てましたが宮城県はどうしたんだろう?と思うくらい雪が積りませんでした。今年は2日辺りから寒くなるとの事なので体調管理には十分注意して新年を迎えてくださいね。
今回から「飲み込み力」トレーニングの効果を上げるためにをと伝えていきます。
嚥下障害を予防する対策が必要です。そのためには「飲み込み力」が弱りきる前に始める「嚥下トレーニング」をお伝えしていきます。
食べることは、嚥下を中心にいろいろな機能で支えられています。
嚥下トレーニングは、飲みこむ動作を再現することに重点を置いています。しかし、飲み込む動作を強化する以外にも、間接的に飲み込み力を高めるトレーニングがあります。飲み込み力のピラミットでは重要度は下がりますが、発声、呼吸、姿勢なども飲み込み力を支える要素です。
今回は、飲み込む動作には、直接に関係しないものの、総合的な「飲み込み力」に関わる物についてのトレーニングや知識について紹介します。
「飲み込み力」を支える部分も鍛える。
嚥下体操
運動前にストレッチをしますが、嚥下体操は、食前に行う準備体操です。飲み込み力が弱くなっている場合に、首や舌を動かす体操を食前に行うと、スムーズに飲み込みやすくなります。
姿勢
正しい姿勢を維持することは、飲み込み力にも大切です。姿勢が悪くなり、あごを突き出した状態で食事をすると、ごっくん筋が収縮しにくくなり誤嚥しやすくなります。また、胸が大きく開かなくなるので、誤嚥してもしっかりと吐き出しにくくなります。正しい姿勢を維持するためには、普段の生活で正しい姿勢を意識することが大切です。また、筋肉に負荷をかける運動を行い、体全体のバランスの取れた筋力をつけましょう。
呼吸
呼吸も嚥下と同じで、普段の生活では意識して行っていません。しかし、息をする力も年をとるにつれて弱くなっていきます。飲み込み力が弱くなると、誤嚥しやすくなり、誤嚥性肺炎の原因になります。しかし、吐き出す力がしっかりしていれば、気管に入った異物を、むせたり咳をしたりして外に出すことができます。つまり、誤嚥しても、しっかりと気管から異物を吐き出せれば、肺炎にはなりません。呼吸機能を高め、しっかりと吐き出せることも大切なのです。
口腔ケア
歯をケアすることは、飲み込み力にとっても重要です。歯を維持することは、食べ物を細かく砕いて飲み込みやすくするだけではありません。歯が揃っていないと、食べ物が舌の上から、頬の方に流れ出してしまい、食べ物を一つの塊にして飲み込みにくくなります。口の中に食べ物が残ると、後から喉の中に流れこみ、誤嚥しやすくなります。また、歯がしっかりしていると飲み込み力そのものも高くなります。飲み込む時に上下の歯がしっかりと噛み合わさっていると下あごを固定できるので、ごっくん筋に力を入れやすくなり、喉頭を上に動かしやすくなるのです。
参考文献 メイツ出版 「のどを鍛えて誤嚥性肺炎を防ぐ 嚥下トレーニング」