こんにちは。大郷町歯科医院、歯科衛生士の高橋です。11月に入った途端に急に寒くなり冬の訪れを感じるようになりましたね。朝晩はだいぶ冷え込み暖房器具が必要なほどです。またこの冬はコロナウイルス(第8波)とインフルエンザの同時流行が懸念されているので引き続き体調管理と感染予防対策をしっかり行っていきましょう。
さて、今回のブログは「口腔粘膜の疾患」について書かせていただきます。
口腔粘膜の疾患とは、歯を除いた口の中の粘膜(舌・歯肉・口蓋・頬)に症状(白色や赤色等の変色や痛み潰瘍等)の症状が見られる疾患のことを言います。
口の中に原因があるものと、全身疾患が原因となり部分的に口の中に症状が現れるものとがあります。悪性の疾患もあるため充分な注意が必要となります。
では、口腔粘膜の疾患にはどのようなものがあるのでしょうか。具体的に説明いたします。
<白板症>・・・粘膜が白くなる疾患で、炎症の部分をこすっても剥離せず痛み等が伴います。特に舌にできた場合は悪性化する可能性があり注意が必要です。
<紅板症>・・・粘膜が鮮紅色になる疾患で、表面は平滑で境界は明瞭なものが多く刺激痛を伴います。高齢者の方に発症が多く悪性化する可能性があり注意が必要です。
<口腔カンジダ症>・・・カンジタ・アルビカンスという真菌が原因となる疾患で口に中が白い膜で覆われたり、びらんや痛みなどを伴います。加齢や唾液量の低下また義歯の不良等が原因で発症します。
<アフタ性口内炎>・・・直径数ミリの円形の潰瘍で、食べ物がしみたり痛みを伴います。噛んだときにできた傷から感染したり、睡眠不足や偏った食事などが原因で発症します。
<扁平苔せん>・・・粘膜の角化異常で白くレース状にみられ周囲は発赤やびらんを伴うものもあります。接触痛や食べ物がしみたりします。
<ヘルペス性口内炎>・・・ヘルペスウイルスが原因で小さな水泡が複数でき赤く腫れ痛みや発熱も伴います。
<じょくそうせい潰瘍>・・・不適合な義歯や被せ物が原因となりできた潰瘍で接触痛を伴います。
<口腔乾燥症>・・・乾燥により口の中が粘ついたりヒリヒリとした痛みを伴います。全身疾患や加齢等が原因で発症します。
<平滑舌>・・・舌の表面にある小さなブツブツとした突起がなくなり表面全体がツルツルした状態となり食べ物がしみたり味覚障害がおこったりします。ドライマウスや鉄欠乏貧血、ミネラル不足が原因で発症します。
口腔粘膜の疾患でも様々な種類がありますが、いずれも症状の改善が見られなかったり、長引いたりという場合にはかかりつけの歯科医院や専門外来への早めの受診をお勧めします。