誤嚥性肺炎の予防  26

皆さんこんにちは。大郷町歯科医院の院長、嶋です。
今、新型コロナウイルスのオミクロン株の一種「BA.2.75」がインドを中心に増えてるとのことです。これはまだどのくらいの感染力かはまだわかっていません。ただ、これが日本で感染拡大する可能性もあるとのことです。皆さん気をつけてください。
今回は前回の嚥下トレーニングをもう少し詳しく解説していきます。
飲み込み方を体で覚えると「飲み込み力」は飛躍的に改善する。
3つの嚥下トレーニングのうち、①飲み込み方を覚えるトレーニングは、②ごっくん筋を鍛えるトレーニングをしっかり行うためのトレーニングです。
「飲み込み方」を覚えることがまず第一歩
人は、反射的に飲み込めるので、何も考えなくても食べ物を飲み込めます。しかし、何も考えずに飲み込み続けているので、意識的に飲み込むことを考えません。そうなると、喉頭をしっかり上に動かして、力を入れて飲み込む、あえてゆっくり飲み込むといった動作の調整の仕方がわからなくなってしまうのです。セルフチェックで、喉頭を上に動かすことができましたか?できなかったらチャンスです。
このような場合、喉頭を意識的に動かし、むせない飲み込み方を体得することで「飲み込み力」は飛躍的に改善します。意識的に喉頭や舌をしっかり動かせるようになれば、食べ物が気管に入りにくくなり、誤嚥性肺炎や窒息のリスクは格段に低くなります。
むせない飲み込み方を体得しよう
飲み込む動作と理論を理解して実際に飲み込んで体で覚えましょう。
まず普段の生活の中で、飲み込むときに体がどのように動いているかを感じることから始めましょう。
最初は、何も考えず、飲み込んだ時に首の前を触り続けます。触り続けているうちに、どのように、喉が動いているかわかるようになってきます。飲み込む時に、動いている部分が喉頭です。できれば、のどぼとけの位置を確認しましょう。のどぼとけの位置がわからなくても構いません。とにかく、飲み込む時に首の前が動いていることを感じてください。また、飲み込んだ時に顎の下を触ると、ごっくん筋が硬くなるのがわかります。喉頭を上に引っ張り上げる筋肉が「ごっくん筋」ですが、飲み込む時にこの筋肉が硬く張る感じがわかるはずです。さらに、舌がどう動いているかも確認してみましょう。口の中の上壁に押し付けられるのがわかります。
喉頭を自在に動かす3つのステップ
①飲み込む動作を理論的に理解する。
②意識的に飲み込む動作を再現できるようになる。
③喉頭を上げた状態で止められるようになる。
皆さんもぜひやってみてください。
参考文献 メイツ出版 「のどを鍛えて誤嚥性肺炎を防ぐ 嚥下トレーニング」