誤嚥性肺炎の予防 15

皆さん、こんにちは.大郷町歯科医院の院長、嶋です.
皆さん、新型コロナウイルス、オミクロン株は大丈夫でしょうか?2月に入り爆発的に感染者が増え、今までの感染者数をはるかに超えてきました.感染力は強いが重症化しずらいとの話も聞きます.
ワクチンも3回目が打てるようになってきていますので、予防をしてなるだけかからないようにしていきましょう.
それでは前回に引き続き誤嚥性肺炎の予防についてお話ししていきます.
前前回に「飲み込み力」の低下がわかる10の症状のセルフチェックをしてもらいました.
それらの説明の続きをしていきます.
6 寝ている時に、咳をするようになった.
寝ている時は意識がないので、喉に流れ込む唾液を全て反射的に飲み込んでいます.
しかし、「飲み込み力」がある程度弱くなると、寝ている間に唾液が気管に流れ込むようになります.気管に流れ込んだ唾液を外に出すために、咳が起こるのです.
7 飲み込むときに引っかかる感じがする
「飲み込み力」が弱くなると、スムーズに飲み込めません.そうなると、飲み込む時に違和感や引っかかる感じがします.
8 喉が詰まった感じがする.
人は絶えず、飲み込みを続けています.「飲み込み力」がしっかりしていると特に症状は現れません.しかし、「飲み込み力」が弱くなると、自然に飲み込めなくなるため、喉に異物があると感じます.
9 液体の方が固形より飲み込みにくい
老化で「飲み込み力」が弱くなると、液体が飲みにくくなります.液体は、固形物より早く喉に流れ込むので飲み込むタイミングを合わせにくいからです.特に、水は無味無臭であるため、喉が「もの」として感じにくく飲み込みづらくなります.
10 食べもにや飲み物が鼻に流れる
口を開けると奥の方にカーテンのような膜があります.それが軟口蓋です.食べているときは、この軟口蓋が蓋をして食べ物が鼻に流れ込まないようにしています.しかし、「飲み込み力」が弱くなると、蓋をするタイミングがずれて、食べ物が鼻に流れ込んでしまいます.
注意
これらの症状は、他の病気でも起こる可能性があるので注意してください.特に、咽頭、喉頭や食道に悪性腫瘍ができた時にも、同じような症状が起こることがあります.悪性腫瘍を放置していると、命に関わります.
もし、症状がひどくなってきた場合、自分で判断せず、医療機関を受診してください.
耳鼻咽喉科では喉に異常がないかを内視鏡で確認できます.その時に、喉に唾液が溜まってないかを一緒に診てもらうと「飲み込み力」のチェックにもなります.
「参考文献 メイツ出版 のどを鍛えて誤嚥性肺炎を防ぐ 嚥下トレーニング」