誤嚥性肺炎の予防 14

皆さん、こんにちは.大郷町歯科医院の院長、嶋です.
いよいよ2022年が始まりました.皆さんは初詣は行かれましたでしょうか?このコロナ禍の中、多くの神社などで参拝を規制しているところがありますが、少し落ち着いた頃に行ってきました.
一年の初めの参拝は身が引き締まる想いになります.今年も無事に仕事ができますように、皆さんが健康でいられますように心からお祈りいたします.
それでは前回に引き続き誤嚥性肺炎の予防についてお話ししていきます.
前回はセルフチェックをしてもらいました.それらの説明をしていきます.
①痰がよくたまる.
風邪をひいてるわけではないけど、痰が喉に絡むという訴えが多いと聞きます.調べると痰ではなく、唾液が溜まっていることが多いそうです.ではなぜ、唾液ではなく痰が溜まっていると感じるのでしょうか?それは、これまで、唾液が喉に溜まり続けたことがなかったからです.人は風邪をひいた時などに、痰が溜まる経験をしています.そのために、喉に唾液が溜まっても、痰が溜まったと感じてしまうのです.
②唾液が多いと感じる.
嚥下反射が弱くなると、唾液を飲み込みにくくなります.きちんと飲み込めていないと、喉や口の中に唾液が溜まり、唾液が多くなったと感じてしまいます.
③声の感じが変わってきた.
人は、喉頭にある声帯を振るわせて声を出します.喉に唾液が溜まると、声帯の周りにも唾液が付着するため、声帯がうまく振動しません.また、喉の空間は、音を共鳴する役割があります.喉に唾液が溜まると、声が綺麗に反響できなくなってしまいます.それゆえ、声が変わってしまうのです.喉に唾液が溜まると、声がこもった感じ、湿った感じになります.このような声を、専門用語で「湿性嗄声」と言います.また、声帯の動きが悪くなると声門が閉まりにくくなり、声を出し続けられなくなります.また、大きな声も出しにくくなります.
④食事中や食後にむせるようになった
飲み込むタイミングが遅れたり、飲み込む動きが弱くなったりすると、食事中に、気管に食べ物が流れ込み、むせてしまいます.また、喉の感覚が鈍くなったり、食道の入り口が狭くなったりすると、食後にも、むせが起こります.なぜなら、飲み込みきれずに喉に残った食べ物が気管に流れ込むからです.
⑤咳払いが増えた
人は、咳払いで、気管に入った異物を意識的に外へ出します.「飲み込み力」が弱くなると、気管に食べ物や唾液が流れ込みます.それが喉の異物感を誘発し、咳払いが出ます.
次回は残りを解説していきますのでよろしくお願いいたします.
現在オミクロン株が猛威を奮っております.当院では感染予防を徹底して来て頂いている患者様にもご協力を頂き診療をおこなっております.引き続き感染対策にご協力ください.よろしくお願いいたします.
「参考文献 メイツ出版 のどを鍛えて誤嚥性肺炎を防ぐ 嚥下トレーニング」