誤嚥性肺炎の予防  10

皆さんこんにちは.大郷町歯科医院の院長、嶋です.
「オミクロン株」ヤバいですね.30日の午後に政府がアフリカのナミビアから入国した30代の男性がオミクロン株に感染していたことが確認されたそうです.このオミクロン株は「スパイクタンパク質」というウイルスの表面にある突起のような部分におよそ30箇所の変異があると言われています.このうち15ヶ所の変異はスパイクタンパク質の中でもウイルスが感染する際にヒトの細胞と結合する「RBD」と呼ばれる部分で起こっています.
この変異がウイルスの性質にどのような影響を与えるのかはまだわかっていません.早急に対処が必要と思われます.みなさん気をつけてください.

 

それでは前回に引き続き誤嚥性肺炎の予防についてお話ししていきます.

 

飲み込む動作はとても簡単です.それは「喉仏」がタイミングよく上に動くことです.
一般的には「飲み込む仕組みは複雑」と説明されます.しかしそれは何も考えずに飲み込む仕組みが複雑なだけです.例えば、息をすることは難しい動作ではありません.その証拠に、意識的に息をする「深呼吸」は簡単にできます.しかし、神経や筋肉は複雑な仕組みで制御されているので無意識のうちに呼吸をすることは簡単ではありません.飲み込むこともそれと同じです.

 

飲み込む動作を反射的に行う仕組みを説明すると、難しいものになります.しかし、ただ動作だけを考えると非常に単純です.それでも、飲み込む動作を理解できていない人は非常に多いのです.それは、息をする動作に比べて、飲み込む動作を意識して行うことがほとんどないからです.まずは、飲み込む動作を頭と体で理解しましょう.そのために、実際に飲み込んで、体をどのように動かしているかを感じることから始めます.

 

首の前を触りながら、飲み込むと首の前が上下に動きますね.この動いている場所が「喉仏」です.また顎の下を触って飲み込んでみましょう.飲み込んだ時に硬くなりますね.ここに、喉仏を動かす筋肉、ごっくん筋があります.さらに飲み込む瞬間、舌を口の中の上壁に押し付けています.飲み込むときの体の動きを理解できれば、どうすればむせずに飲み込めるかがわかるようになります.

 

飲み込むときは体の動きを確認しましょう.
若い人ほど筋力が強いので、体の使い方がわかりやすくなります.だから始めるのは早ければ早いほうが有利です.
実際に水を飲んで、練習をくり返しましょう.どこを動かしているかを考えながら飲み込むことが大事です.手で触ったり、鏡で首を見たりすると理解しやすいです.

 

特に3つのことを意識してください.
1舌  2ごっくん筋  3のどぼとけ

 

参考文献 メイツ出版 のどを鍛えて誤嚥性肺炎を防ぐ 嚥下トレーニング