誤嚥性肺炎の予防 9

皆さん、こんにちは.大郷町歯科医院の院長、嶋です.
11月も残りわずかとなりました.コロナが少し落ち着いてきていますので少しづつ行動をしている方も多いと思います.予防をしっかりしながら日々の生活をしていきましょうね.

 

前回に引き続き誤嚥性肺炎の予防についてお話ししていきます.
嚥下の仕組みを把握してトレーニングをしていくことを勧めます.前回までのブログで健康で楽しい人生のために、自らの力で「飲み込み力」を維持することが大切だとわかりました.今回はどのようにすれば「飲み込み力」を改善できるのかをお伝えしていきます.

 

ステップ1 嚥下の仕組みを理解する.
まず、嚥下に関わる体の構造を知り、それらがどのように働くかを理解しましょう.
皆さんは、咽頭というものをご存知でしょうか?
咽頭は飲み込む時に上下に動き、食べ物を食堂に送り込みます.咽頭は、首の表面から触ることができ、飲み込むと動くのがわかります.さらに、咽頭と連動する舌や咽頭を動かす筋肉がわかるようになるとどのように動いているかが、具体的にイメージできるようになります.体の構造と役割を理解すると、トレーニングの理論も理解しやすくなります.そうすることで、どの部分をどのように鍛えれば良いかがわかるようになるのです.

 

ステップ2 自分の「飲み込み力」を把握する.
嚥下の仕組みを理解した後は、セルフチェックで皆さんの飲み込み力を把握しましょう.
「飲み込み力」が弱くなると、いろいろな兆候が出てきます.それは喉の症状であったり、筋力の低下であったり、さまざまな形で現れてきます.しかし、なかなかそのような兆候を自分では気づけません.「飲み込み力」が弱くなると、どのような症状が現れ、どのように体が衰えるかを、セルフチェックにまとめました.後ほどお伝えいたしますので自分の「飲み込み力」をしっかり確認してみましょう.

 

ステップ3「飲み込み力」を鍛える嚥下トレーニング
自分の「飲み込み力」を把握できればそれに基づいて嚥下トレーニングをして鍛えましょう.
何もしないでいると、年を取るにつれて、確実に喉や舌の筋肉は弱ってきます.また、筋力が弱るにつれて感覚も鈍くなります.しかし適切な負荷をかけると、たとえ年をとっても、筋力を強くすることができます.刺激を与えると感覚も鋭くなります.飲み込みに関わる筋力や感覚を鍛えることが「飲み込み力」を維持するうえで大切なのです.嚥下トレーニングは、日々の生活の中で簡単に行えます.少しづつ、鍛えていきましょう.

 

参考文献 メイツ出版 のどを鍛えて誤嚥性肺炎を防ぐ 嚥下トレーニング