噛む力

みなさんこんにちは。大郷町歯科医院、歯科衛生士の高橋です。

11月に入り今年も残すところ1ケ月余りとなりました。季節も本格的に「冬」となり、暖房器具が欠かせなくなってきましたね。寒くなってくると身体に力が入って肩こりや疲れの原因となります。暖かいお風呂につかりながら硬くなった筋肉をもみほぐして身体の疲れを取ることをお勧めします。好きな香りの入浴剤を使うのもいいですね。

さて、前回は【噛むことの大切さ】について書かせていただきましたが、今回は前回と少し関連性がある「噛む力」について書かせていただきます。先日NHKの「ガッテン」という番組で「噛む力と病気の関係」について放送していたので、その内容を紹介いたします。

「噛む力」は心臓病と脳卒中の予防に深く関係していて、噛む力が弱い人は心臓病と脳卒中にかかりやすいという内容でした。大阪府吹田市の住民50歳から79歳の男女1547人を対象に調査し、噛む力を5つの分類(強い・やや強い・中間・やや弱い・弱い)に分け、その後4年間追跡調査を行ったところ、噛む力が弱いほど心臓病や脳卒中のリスクが高いという結果がでました。番組内では、噛む力が弱いと何故心臓病や脳卒中に罹りやすくなるのか検証するために20代から70代男女100人に対して噛む力の測定を行っていました。100人の平均値は51kgfという結果になり、平均値以下となったのは70代が一番多く続いて50代、20代と60代がほぼ同数という結果となり、噛む力は年齢とともに弱くなるとはいちがいに言えず、また年齢や性別にもあまり関係しないということがわかったそうです。心臓病や脳卒中は生活習慣病とも言われ、生活習慣の乱れが大きな原因となります。噛む力が平均より弱かった人の食生活の内容を調べた結果、あまり噛む力を使わない食事内容(=柔らかいものはどちらかというと脂質が多い)という共通点が見つかりました。厚生労働省が定める一日当たりの脂質の量は総エネルギー量の20%以上30%未満で、噛む力を使わない人(噛む力が弱い人)は無意識のうちに柔らかい食べものを好んで食べる傾向があるということです。柔らかく口どけの良い食べ物は脂質や糖質、炭水化物が多く心筋梗塞や脳卒中のリスクが高くなります。噛む力が弱くなる原因としては中高年の方は主に歯周病。若い人は小さい頃からの食生活習慣と言われており特に子供の噛む力の低下は偏食にも繋がり成長にも影響がでてくるため注意が必要です。

 

噛む力(噛み砕く力とすりつぶす力)は咀嚼筋を使います。筋肉なので鍛えれば強くなります。毎日の食事に噛みごたえ(硬さ・弾力性・ばらけにくさ)のある食材を意識的に取り入れていきましょう。そして良く噛むことができるよう、虫歯や歯周病で歯を失わないためにも定期健診を積極的受けていきましょう。