認知症と体の仕組み

皆さんこんにちは。大郷町歯科医院の院長の嶋です。
9月も今日で終わりますね。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?安倍内閣が解散して、新たに菅内閣が始まりましたね。安倍内閣の良いところを引き継いで悪いところを直した政治に期待しております。特に河野太郎行政改革・規制改革担当相には大いに期待しています。良い、悪いを判断して切るところは切り捨てる勇気が大切だと思います。今後の菅内閣に期待しましょう。

 

さて今回も認知症になりづらい食事についてお話しさせていただきます。
前回のブログでインスリンについて触れました。皆さん、インスリンってどの様な働きをするのか知ってましたか?代表的な働きは膵臓から分泌されて血糖を下げる働きですが、最近の研究で脳の海馬からも分泌されているということがわかりました。
ちなみに海馬とは主に記憶を司る脳の器官です。その記憶することに一役買っているのがインスリンなのです。アルツハイマー病にかかると真っ先に影響を受けるのが海馬です。インスリンがいっぱい分泌されてれば記憶力も良くなると思いがちですがそうではありません。糖質を多く取っていると全身のインスリン抵抗性が高くなります。この状態はいわゆるインスリンの効き目が弱くなっている状態です。そうすると海馬で記憶を定着させることができなくなってきます。糖尿病の方がアルツハイマー病に罹りやすいのはこのことが原因とも言われています。

 

またインスリンの分泌過剰はアミロイドβを分解するインスリン分解酵素も働きが鈍くなり脳の中のゴミが溜まりやすくなります。これらのことが誘因で認知症になりやすくなってしまいます。
そして疲れた時は甘い物が食べたくなるということを耳にしたことがあると思います。特に徹夜で勉強とかしてるとチョコレートとかお菓子など食べたくなります。

 

 

これは多いに危険です。頭を使うと脳がブドウ糖を消費するのでそれを補うために食べるという考えがありますが、実は人間の体は自らブドウ糖を作ることができます。その仕組みを「糖新生」と言います。糖新生を行うのは肝臓が行います。この肝臓にはグリコーゲンという糖質の成分が蓄えられています。ブドウ糖が使われて血糖値が下がるとここから糖質が使われます。この糖新生を行うことによって脂肪が燃焼されて大量のカロリーを消費します。そのまま体内の糖質を消費していればダイエットにもなるのですが食べ物によって糖質を摂取するとそこから糖質を消費してしまうので肝臓では糖新生が行われなくなります。糖質制限をしていれば脳を守ることができます。

 

【参考文献】認知症にならない最強の食事術 著者 江部康二 宝島社