認知症になりづらい食事

皆さん、こんにちは。大郷町歯科医院の院長、嶋です。

 

新型コロナウイルスの感染者も日に日に増してきています。お盆休みで皆さん故郷に帰省する方もいると思いますが予防をしながら気をつけてお帰りくださいね。ある所では帰省することを知り誹謗中傷のビラを配ったりしている所もあるとのことですが、もし自分がやられる立場になったらいかがなものかと思います。

 

さて今回は認知症になりづらい食事についてお話ししていきます。
そもそも認知症とは「いったん正常に発達した知能が、後天的な脳の障害によって低下した状態」のことを言います。知能の低下とは「さっき人と会ったことを覚えていない」「食事をした事を忘れる」などの記憶障害、「文字を読んでも意味がわからない」「簡単な計算ができない」といった判断の低下、「見えないものが見える」という幻覚、「財布を盗まれた」という妄想に至るまで記憶や判断力に障害が起こる事を言います。

 

この認知症ですが大きく分けて4つに分かれます。代表的なものに「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」に分けられます。この中で最も多いのがアルツハイマー型認知症です。およそ70%の患者さんがそれにあたります。

 

このアルツハイマー型認知症は簡単にいうと脳の中に溜まった「アミロイドβ」という老廃物が神経細胞に悪さをする病気と言われています。また糖尿病を患っている人は糖尿病でない人の約3倍以上の人がアルツハイマー型認知症に罹りやすいとのデータも出ています。

 

このアルツハイマー型認知症の治療法はまだありません。ただ進行を遅らせることしか現在は対処できていません。ただこの病気は糖尿病と深い関係がありますので糖尿病での食事療法が効果があるのではないかと言われています。実際、糖質によってアミロイドβの蓄積が引き起こされることが証明されています。ということはダイエットによく使われる糖質制限がアルツハイマー型認知症の予防にも役立つということになります。

 

推奨しているのは食事での糖質を40%以下にすることです。

 

なぜ糖質制限を行うと認知症予防に繋がるかと言いますと、「AGEs終末糖化産物」というものが作られるからです。これは糖質が加熱によりタンパク質や脂質とくっつき生まれるものです。このAGEsはとにかく厄介なもので初期段階では分解、代謝ができますが、蓄積されていくと分解することが困難になります。

 

これは糖尿病を引き起こすだけでなく、骨のコラーゲンに蓄積すると骨粗相症を生じ、目にたまると白内障にもなります。皮膚のコラーゲンに蓄積すると肌の弾力がなくなりシワになります。

 

また、血中AGEsが高いと歯周病になりやすくなります。

 

血管に蓄積すると動脈硬化などにもなります。このAGEsこそが老化の原因にもなっております。体内で一度できてしまったAGEsは消すことがかなり困難と言われています。ということはこのAGEsをできるだけ作らないように糖質制限をしていけば予防につながります。

 

【参考文献】認知症にならない最強の食事術 著者 江部康二 宝島社