口腔粘膜の疾患について

こんにちは。大郷町歯科医院、歯科衛生士の高橋です。梅雨が明けて夏本番となり暑い日が続いておりますが、いかがお過ごしですか。今年は特別な夏で熱中症対策の他にコロナウイルスの感染予防対策も必要となり、外出時のマスクが欠かせません。熱中症にかかるリスクが高くなるためこれまで以上の暑さ対策や注意が必要となりますね。

さて、今回のブログは「口腔粘膜の疾患」について書かせていただきます。

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口腔粘膜の疾患とは、歯を除いた口の中の粘膜(舌・歯肉・口蓋・頬)に白色や赤色等の変色や痛み潰瘍等の症状が見られる疾患のことを言います。

口の中に原因がある部分的なものと、全身疾患が原因となり部分的に口の中に症状が現れるものとがあります。悪性の疾患もあるため充分な注意が必要となります。

 

では、口腔粘膜の疾患にはどのようなものがあるのでしょうか。具体的な症状として下記のものが挙げられます。

 

<白板症>・・・粘膜が白くなる疾患で、炎症の部分をこすっても剥離せず痛み等が伴います。特に舌にできた場合は悪性化する可能性があり注意が必要です。

 

<紅板症>・・・粘膜が鮮紅色になる疾患で、表面は平滑で境界は明瞭なものが多く刺激痛を伴います。高齢者の方に発症が多く悪性化する可能性があり注意が必要です。

 

<口腔カンジダ症>・・・カンジタ・アルビカンスという真菌が原因となる疾患で偽膜性と委縮性の2種類があり、偽膜性は、白い白苔が見られガーゼで拭いとることができますが、委縮性は白苔がなく発赤やびらんが見られヒリヒリとした痛みを伴います。

 

<アフタ性口内炎>・・・直径数ミリの円形の潰瘍で、食べ物がしみたり痛みを伴います。繰り返しできるものは再発性アフタ性口内炎と言います。

 

<扁平苔癬(たいせん)>・・・粘膜の角化異常で白くレース状にみられ周囲は発赤やびらんを伴うものもあります。

 

<ヘルペス性口内炎>・・・ヘルペスウイルスが原因で小さな水泡が複数でき赤く腫れ痛みや発熱も伴います。

 

<褥瘡性(じょくそうせい)潰瘍>・・・不適合な義歯や被せ物が原因となりできた潰瘍で接触痛を伴います。

 

<口腔乾燥症>・・・乾燥により口の中が粘ついたりヒリヒリとした痛みを伴います。

 

<平滑舌>・・・舌の表面にある小さなブツブツとした突起がなくなり表面全体がツルツルした状態となり食べ物がしみたり味覚障害がおこったりします。

 

口腔粘膜の疾患でも様々な種類がありますが、いずれも症状の改善が見られなかったり、長引いたりという場合にはかかりつけの歯科医院や専門外来への早めの受診をお勧めします。