歯周病と喫煙の関係について

こんにちは。大郷町歯科医院、歯科衛生士の高橋です。新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言も解除され、今月から学校も再開し子供達が嬉しそうに通学している姿を目にし、少しずつ前の生活に戻ってきているかと思いきや第2波の兆しがみられる感染のニュースも耳にするなど、まだまだ油断は禁物だと感じております。感染拡大防止のため、引き続き不要不急の外出はせずに新しい生活様式に馴染めるよう努力し、第2波・第3波の感染がおきないことを願いつつ、自分ができることを引き続き行っていきたいと思っております。

 

さて、前回は歯周病と全身疾患の関係について書かせていただきましたが、今回のブログはそれに関連して歯周病と喫煙の関係について書かせていただきます。

はじめに、たばこによる口腔内への影響について説明いたします。

 

タバコを吸うことによる自立神経の働きで唾液の分泌が少なくなり口腔内の唾液の量が減ってしまいます。唾液には口の中の汚れや細菌を洗い流すという自浄作用の働きがあるため、喫煙による口腔内の自浄作用の低下に加え、タバコに含まれるタール(ヤニ)のベタベタで汚れが付きやすくなる等口腔内環境が悪くなります。

 

また、タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる作用があり、血流が悪くなることで体内へ栄養や酸素の供給が十分にできなくなるため、歯周ポケット内が酸素不足となり歯周病菌が繁殖しやすい状態になります。その上、血管が収縮することで歯肉の腫れや出血が症状として表れにくくなるため、歯周病に気づかないまま、進行し重症化することがよくあります。

 

最近、従来のタバコより、タール等の有害物質が少ないとされ人気となっている加熱式タバコや電子タバコは、歯周病に対しどのような影響があるのでしょうか。

 

確かに加熱式タバコや電子タバコは従来のタバコに比べて有害物質や副流煙は少ないと言われていますが、ニコチンは含まれているため、血管を収縮させて歯ぐきへの血流が悪くなり、歯ぐきに栄養がいき渡らず炎症が起こりやすくなりますし、体の免疫力が低下して歯周病が進行しやすくなります。したがって、タールがなくてもニコチンによる影響で歯周病を進行させる要因となります。

歯周病は歯を失う確率が高い疾患です。その歯周病に悪影響を及ぼす一つに喫煙があります。喫煙は歯周病だけではなく、体全体の健康に悪影響を及ぼします。

禁煙は、お口の健康を取り戻すだけではなく、身体の健康も取り戻すことができるため不安のない快適な生活をおくることができます。