歯周病と全身疾患の関わり

こんにちは!大郷町歯科医院の大杉です。

成人の80%が罹っていると言われる歯周病ですが、皆さん歯ぐきの腫れや出血はありませんか?当院では歯周病を予防するため、定期検診のご案内をしています。

近年の研究で、歯周病と全身疾患は関係あるということが分かってきています。今回は「歯周病と全身疾患の関係」についてお話しさせていただきます。

全身疾患といってもいくつかありますが、まず今回はその中でも”糖尿病”についてです。

糖尿病とよく聞いても、若い方はピンと来ないかもしれません。まず糖尿病とはどんな病気なのでしょうか?

簡単にお伝えすると、糖尿病とは、インスリン(血糖を下げるはたらきのあるホルモン)のはたらきが悪くなり、細胞が栄養不良になり体の抵抗力が落ちてしまう病気です。インスリンは栄養になる糖分を細胞内に取り込むよう指令を出すのですが、利用されない糖分が血液中に溜まり血管や神経に障害が出てしまいます。50歳以上の15~20%の方に糖尿病が強く疑われるといわれています。

【糖尿病の人は歯周病にかかりやすく重症化しやすい】

糖尿病が進行し高血糖状態が続くと、体の中の防御反応が低下して感染症にかかりやすくなります。歯周病も細菌感染を原因とする感染症のひとつです。そのため糖尿病の人は健康な人に比べ、歯周病にかかる確率が2倍以上高く、重症化しやすいと言われています。

他にも、

・糖尿病の人は好血球(白血球の一種)のはたらきが落ちる

・糖尿病の治療薬には白血球を減らす副作用がある

・血糖値が高くなると傷が治りにくくなる

・糖尿病の人は唾液が減少するため傷の治りが遅くなる

などの理由が挙げられます。

【歯周病が悪化すると糖尿病も悪化する】

歯周病が進行すると歯周病菌から出される毒素が歯肉から血管に入り込み、NTF-α(腫瘍壊死因子)という物質が分泌されます。そして血管中のNTF-αが増加するとインスリンのはたらきが低下→血糖値が上昇して糖尿病の悪化へと繋がります。

また糖尿病の方が重度の歯周病になった場合、軽度の歯周病に比べ2年後に糖尿病が悪化している確率が5倍高くなると言われており、特に注意が必要です。

このように歯周病は糖尿病と深いかかわりを持っています。

口の中の病気だけとあなどらず、定期的な歯科検診をおすすめ致します。