訪問歯科の基礎知識  2

皆さんこんにちは。大郷町歯科医院の院長、嶋です。

 

今年もあとわずかで終わりますね。令和元年は皆さんどのように過ごされましたでしょうか?自分はいつもと変わらずの日常を過ごしておりました。まあ、こういう人は多いと思いますね。元号が変わったから劇的に何かが変わることもなく日々の生活を過ごしております。
さて今年のブログは今回で終わりになります。

 

さて今回も訪問歯科についてお話ししていきます。前回の続きで訪問時の口腔ケアについてお話ししていきます。

 

口腔乾燥を引き起こしていると虫歯や歯周病を悪化してしまう恐れがあります。その時には保湿剤を使用して潤していきます。
また義歯は必ず外して口腔内を清掃してください。義歯も汚れがあるので単体で清掃して装着してください。特に就寝時は歯科医師の指示がない限りは外して洗浄剤に入れて就寝してください。もし口唇が乾燥している場合はワセリンなどを塗布してから開口させてあげてください。

 

あとはあまり口を開けない人、口腔ケアを拒絶する人が中にはおります。そんな方には無理やり口をこじ開けてケアをするのではなく口以外のところに触りながらスキンシップをとりながら徐々に口の周りを触っていく事をお勧めします。それでも開口しなければならない時には口裂に沿って指を滑らせていれると比較的入りやすいです。それでも口を開かない場合は口の頬の奥の歯がない土手の部分を軽く押してあげる方法と唇と歯との境目を押してあげる方法で少し開けてもらいます。少し開けてもらったら歯ブラシの柄などでこじ開けて口蓋を刺激します。開口を保持できなければ噛ませる道具などで保持していきます。この時注意することは噛まれないことです。意思疎通があまりできない方などは無意識に噛んできます。くれぐれも指を噛まれない様に注意してください。

 

あと口腔ケアで大切なのは行う時の体位です。なぜかというと体位によって誤嚥を引き起こしてしまうからです。なるだけ座位で地に足をつけた状態で口腔ケアをされるのが望ましいです。ベットであればファーラー位やセミファーラー位などが望ましいです。ただ完全に誤嚥を防ぐことは不可能なので危険であれば2人がかりで口腔ケアを行うとか、吸引付きの歯ブラシなどでケアを行うなど工夫が必要になります。

 

【参考文献】 訪問歯科診療ではじめる 摂食・嚥下障害へのアプローチ   医歯薬出版株式会社

 

今年一年いろいんな事をブログで書いてきました。お付き合いくださって誠にありがとうございます。来年度はさらに良い事が皆様にも有ります様に心からお祈り申し上げます。