タバコと歯の関係について

こんにちは。大郷町歯科医院、歯科衛生士の高橋です。

一年が経つのは早いもので、もう10月、後残り2ヶ月で今年も終わりとなります。過ごしてみると色々あったような無かったような感じで、日々の生活に追われ、とにかく時間が過ぎるのが早すぎて「これをやった」という達成感がないまままた1年が終わりそうな気がしています。残りの2ヶ月弱、自分がしたいことをやっていければなと思います。

さて、今回のブログは、タバコと歯の関係ついて書かせていただきたいと思います。

先ずはじめに、タバコによる体への影響についてお話します。

タバコには数多くの化学物質が含まれており、そのうちの5%は癌と関係が深い物質です。なかでも「ニコチン」・「一酸化炭素」・「タール」の3つは最も危険性がある物質と言われています。口腔に関する癌である「口腔癌」に罹る確率は、喫煙者の場合、タバコを吸わない人の約2.5倍高くなります。また若いうちから喫煙経験があると、全身の成長に影響したり、死亡率が高くなったりします。

次に、タバコが歯に直接的にどのような影響を及ぼすのかについてお話します。

一番に挙げられるのは、「歯周病」です。喫煙者はタバコを吸わない人に比べ3倍も歯周病にかかりやすいと言われています。

なぜ、歯周病にかかりやすくなってしまうのでしょうか。主な理由としては以下の3つです。

1.ニコチンによる血管収縮

タバコに含まれるニコチンが血管を収縮させ、それによって歯に十分な酸素や栄養が送られなくなったり、口腔内の汚れや細菌の影響で歯ぐきが炎症を起こしても、歯周病のサインである歯ぐきの腫れによる出血が抑制されてしまうことで歯周病の発見が遅れてしまいます。

2.白血球の機能の低下

白血球は体内にある悪影響を及ぼす細菌に対抗する作用を持っていますが、その機能がタバコによって低下してしまいます。

3.歯肉の修復機能の抑制

ニコチンや一酸化炭素が免疫の機能を著しく低下させ、「繊維芽細胞」と呼ばれる歯肉の傷を修復する機能を持つ細胞の働きを抑制してしまうので、歯周病の治療をはじめてもタバコを吸っているとなかなか改善が見られなかったり、再発の可能性も高くなります。

最近では、葉を燃やして吸う紙巻きタバコに比べ電子タバコはタールが発生しないので害が少ないという理由で電子タバコを吸う人が多くなってきていますが、当然のことながら加熱するためにニコチンを摂取してしまうことになりますので、危険性が無くなったわけではありません。電子タバコを含め、なかなかタバコを止めることができない人こそ、充実したホームケアの実施や歯科医院での定期的な受診を行って、歯周病の予防や初期段階での歯周病治療をしていただくことをお勧めします。