口腔乾燥症と誤嚥性肺炎について

こんにちは。大郷町歯科医院、歯科衛生士の高橋です。

 

令和元年がスタートしました。また、それに伴う国民の休暇等で、稀にみる10日間の大型連休もありました。天候にも恵まれ、充実した休日を送って心身ともにリフレッシュすることが出来た方が多いのではないでしょうか。

そろそろ連休疲れも取れ、日常の生活を取り戻していることと思います。新緑の季節、過ごしやすい気候が続くと思いますので、穏やかに過ごしてまいりましょう。

 

さて、今回のブログは高齢者の「お口のトラブル」について書かせていただきます。

 

高齢に伴う口腔内トラブルの代表的なものとしては、「口腔乾燥症=ドライマウス」と「誤嚥性肺炎」の2つが挙げられます。

口腔乾燥症については、唾液の作用についてのブログでも少し触れさせていただきましたが、今回は詳しく説明させていただきます。

○症状は・・・

・口が乾いてしゃべりにくい、食べ物を飲み込みにくい、あまり味がしない、口の中や舌が痛い、唇がヒリヒリ・カサカサする、入れ歯が入れにくい等

○原因は・・・

・唾液の減少、薬の副作用、全身的な代謝の異常、神経疾患等

○対処方法は・・・

・唾液促進剤の服用、口腔内の保湿を図るために洗口や水分補給、リップクリーム等の塗布、よく噛んで食事(唾液の促進)をすること等

 

もう一つの誤嚥性肺炎(高齢者の肺炎のほとんどは誤嚥性肺炎と言われている)については以下の通りです。

○症状は・・・

・発熱や、咳、痰等がでる。(症状によっては死に至ることもある)

○原因は・・・

・脳梗塞等や高齢に伴う筋力の低下による嚥下機能の低下、また寝たきりによる全身状態や意識レベルの低下により上手く飲み込みが出来ず、唾液や食べ物と一緒に細菌が気道に入ってしまうため。

 

○対処方法は・・・

・口腔内を常に清潔に保つ(セルフケアに自信がない方は、歯科医院での定期的なクリーニングをお勧めします。)ことと、喉や口の周りや舌の筋肉を鍛えること。(発声しながら口を動かすパタカラ体操やトレーニングボトルの活用等)

 

健康の基本は「よく食べ・よく寝て・よく動く」ことです。美味しく食事をするには噛めることが大切です。よく噛んで食事することによって口の周りの筋肉が鍛えられ、誤嚥の予防にも繋がります。そして、よく噛むことにより唾液がでて、口腔乾燥症の予防に繋がります。日ごろからよく噛むことを心がけて食事をしましょう。

 

【参考文献】

熊谷崇・秋元秀俊(2003)『「歯科」本音の治療がわかる本』法研.

「誤嚥性肺炎‐メディカルノート」,

https://madicalnote.jp/diseases/誤嚥性肺炎〉2019年5月19日アクセス.