医療保険と歯科診療

こんにちは!大郷町歯科医院の大杉です。

 

今回は皆さんお世話になっている「医療保険」についてお話させて頂きます。

そもそも医療保険はいつからあり、どんな歴史があるのでしょうか。

 

日本の医療保険は昭和2年に始まりました。当時の政府は富国強兵政策を掲げ、労働者・農民の体力低下や疾病の増加を問題視し始めたのです。

また大正6年にロシア革命が起きたことの影響で、「治安維持の為に、労働者階層への社会主義思想の浸透を防がなければならない その為には疾病と貧困の鎖を断ち切って、労働者階層の生活の安定を図る必要がある」という考えもあったそうです。

 

このような背景から、当時は労働者を対象にした医療保険として始まりました。

現在の政府管掌健康保険(保険者番号のうち法別番号が01)と組合健康保険がこれに該当します。

 

昭和13年には労働者以外を対象とした国民健康保険が成立しましたが、この段階では実際に国保事業を行うかどうかは各自治体の任意とされていたこと、保険料の支払いが困難な人が多かったことが影響し、まだまだ不完全な状態だったそうです。

 

さらにその後、戦後に起きたインフレの影響で一度壊滅状態となった医療保険も今日には殆どの国民が加入し、現在に至ります。

 

長くなりました(笑)

 

まず前提として医療保険は「国民の最低限度の(人間の生存にふさわしい)生活」を保障するというシステムです。

歯科(医科)の診療における全ての検査・処置等の内、一部分に医療保険が適用されます。

 

上記の通り保険診療は最低限度の保障となるため、使える材料や処置の内容に細かい制限があります。

 

例えば虫歯で歯を削ったあと詰め物をしたいという時に、最低限の詰め物として銀歯は医療保険が適用となりますが、セラミックの詰め物は適用されません。

セラミックの詰め物を希望する場合は保険適用外となるため、自費診療になるのです。

 

ちなみに保険診療の場合は国に定められた方法で診療点数(これで料金が決まります)を計算する為、どこの歯科医院で処置をしても同じ負担金となります。

ですが自費診療の場合は歯科医院ごとに料金を自由に設定できるため、同じセラミックの詰め物を入れるにしても歯科医院ごとに料金が違います。

 

自費診療のメリットとして、使用する材料等に制限がない医療を受けられるということがあります。

 

例えば保険診療を利用して前歯に被せ物を入れる場合、外から見える部分は硬質レジンという材料を使用します。

硬質レジンは吸水性があるため、使用している内にだんだん変色が起きてしまいますが、そこで硬質レジンではなくセラミックを使用した被せ物(自費診療に該当します)を入れると、被せ物の変色を防ぐことができます。

 

当院では治療の内容によって幾つかの選択肢がある場合、それぞれ説明した上でご希望の内容をお選びいただきます。

ご不明な点、心配な点がある方はお近くのスタッフまでお気軽にお声掛けください。