誤嚥性肺炎の予防 27

皆さん、こんにちは。大郷町歯科医院の院長、嶋です。
新型コロナウイルスが少し治まってきた感じがしますが皆さんは大丈夫でしょうか?感染予防をしっかりして生活をしてくださいね。
今回も嚥下トレーニングをもう少し詳しく解説していきます。
飲み物を使うと、トレーニングしやすくなります。
何かを飲み込んで訓練すると、力の入れ方やタイミングを掴みやすくなり、飲み込み方を覚えやすくなります。また、喉で飲み物を感じられるので、喉の感覚を高めることができます。
まず、水を飲んで練習してください。水は、無味無臭で喉の中を通っているのがわかりにくい液体です。また普通の水は、タンパク質などの成分が含まれていないため、少量誤嚥しても肺炎は起こりません。常温の水でむせない場合は、ほぼ問題なく他の飲み物でもできますが、安全のために水を用いることをお勧めします。
誤嚥した時は、しっかりとむせること。
水を誤嚥した場合は、しっかりとむせるようにしましょう。「むせ」は、気管に入った異物を呼気で吐き出す動作なので、しっかりとむせられれば、異物を足がかりとした肺炎を防ぐことができます。誤嚥したら、必ずむせるようにしましょう。
負荷をかけた飲み込みをしてみる。
水をただ無意識に飲み込んでも、どのように飲み込んでいるかを理解できないことがあります。その場合は、負荷をかけた飲み込み方をしてみましょう。あえて飲み込む量を増やしたり、間隔を詰めて飲み込んだり、飲み込む姿勢を悪くしたりして、飲み込んでみましょう。そうすると、どのようにして飲み込んでいるかが、さらに意識しやすくなります。(注意点)飲み込む前に、うがいをして、口やのどの中に食べ物の残りかすが残らないようにしましょう。水で誤嚥する確率が高い人は行わないでください。
①多めの水を一口で飲み込む。
口の中に水を溜めて、飲み込む準備をします。飲み込める量に個人差があるので、量は少し多めと感じる量にしてください。飲み込む時は、動作を意識しましょう。慣れてくれば、力強く飲み込みます。
②5秒に1回嚥下を6回繰り返す(30秒)
間隔をつめて飲み込みます。慣れてくれば、飲み込む動作を意識して行い、力強く飲み込めるようにします。力を入れて飲み込むと、5、6回目には顎の下が疲れてきます。できなければ、10秒に1回でも構いません。
③軽く上を向いて飲み込む。
あえて、飲み込みにくい体勢で飲み込んでみます。飲み込むときに軽く顎を引くと、ごっくん筋が収縮しやすくなるので、飲み込みやすくなります。逆に顎を突き出すと、飲み込みにくくなります。飲み込みにくさを感じてみましょう。顎を突き出して飲み込むと、首の前や顎の下を触りやすくなり、筋肉の収縮や喉頭の動きを感じやすくなります。
参考文献 メイツ出版 「のどを鍛えて誤嚥性肺炎を防ぐ 嚥下トレーニング」