「歯」と「発音」の関係について

こんにちは大郷町歯科医院、歯科衛生士の高橋です。

3月に入って少しずつ暖かくなり、桜の開花予想日のニュースを頻繁に聞くようになってくると春がそこまで近づいていることを感じますよね。「春一番」かなぁと思われる強い風を感じる日も多くなってきて、花粉症の方には辛い季節の到来となりますね。コロナウイルスの感染者数も減少傾向の中、変異株BA2の感染者が少しずつ増えはじめ、まだまだ安心できる状態ではないようです。またロシアがウクライナに侵攻し、毎日痛ましいニュースを見てやるせなさを感じております。春は新しいことが始まるわくわくした季節です。希望が持てる世の中であってほしいと願います。

さて、今回のブログは「歯」と「発音」の関係について書かせていただきます。

「発音」するためには歯がかかせないことはご存知ですか?「発音」の仕組みは肺から息を出しのど仏にある声帯をふるわせることで声となり、舌の形を変えたり歯や唇の形によって思い通りの音となるのです。歯が抜けていたり、歯並びが悪かったり、受け口だったりすると振動した声が上手く音にならないことがあり、滑舌が悪い発音や息が抜けている発音となるため、相手にとっては聞きづらいものとなります。話す仕事をしているアナウンサーや声優また俳優の方を思い出してみるとほとんどの方がきれいな歯並びのように思います。歯並びがきれいだときれいな発音ができるからです。歯が抜けていたり歯並びが悪かったりするとサ行・タ行・ラ行の発音が難しくなってきます(以下のような仕組みのため)。

○サ行・・歯擦音、スー音、シュー音と言われ、舌の先と上の歯ぐき付近との狭い空間で摩擦音を生じさせ、さらに前歯の裏側に当てて音を出す。

○タ行・・舌先を上顎に密着させ、上顎から舌先を素早く離すことにより音を出す。

○ラ行・・舌先を上の前歯の裏側の歯ぐきに近づけて下に滑らすようにして音を出す。

特にサ行は前歯の裏側に上手く声を当てることができないときれいな発音がしにくくなります。

虫歯や歯周病で歯がない状態を放置したままにしておくと、見た目(外見)だけではなく食事が上手く取れなくなったり、発音が上手くできず人と話すことが億劫となり、コミュニケーシが苦手になったりと様々な問題がでてきます。最近では「きれいな歯」の人は「清潔」・「几帳面」・「仕事ができる」というイメージも持たれるようです。歯は食べるために使うだけではなく発音にも重要な働きをしています。虫歯や歯周病で歯を抜くことがないように普段からのケアと定期的に歯科医院でのメンテナンスを行っていくことをお勧めします。