誤嚥性肺炎の予防 16

皆さん、こんにちは.大郷町歯科医院の院長、嶋です.
2月もあと数日で終わりになりますね.今年はなんだか時間の流れが早い感じがします.
オミクロン株のコロナウイルスに感染して重症化しづらいとの噂が以前ありましたが亡くなっている方が多いのにびっくりしています.コロナに罹らないことが一番ですが万が一罹ってしまったら迅速な対応をしていこうと思っています.皆さんも気をつけてください.
それでは前回に引き続き誤嚥性肺炎の予防についてお話ししていきます.
前前回に「飲み込み力」の低下がわかる10の症状のセルフチェックをしてもらいました.
今度はまた違った飲み込み力のセルフチェックをお伝えしていきます.
人間の喉には喉仏という構造があります.この喉仏を動かして人は飲み込んでいます.
首の前を触りながら飲み込んでみましょう.喉仏が動くのがわかるはずです.しっかり飲み込むようにするには、喉仏を力強く上に動かさなくてはなりません.飲み込む時に使う筋肉は「顎の下」にあります.親指で顎の下を触って飲み込んでみましょう.筋肉が硬くなって膨らむのがわかるはずです.この筋肉は舌骨を介して喉頭を引っ張り上げているのです.この筋肉(ごっくん筋)を鍛えれば、喉頭を力強く上に動かすことができます.
実際にやってみましょう.
①顔を上に向ける.
目線を少し上にする程度で顔を上げてください.顔をあげすぎると首の皮膚が突っ張って、喉仏やごっくん筋が触れにくくなります.
②喉仏を探す.
喉頭の位置を触っていきます.首の正面を触って、出っ張っている部分を探します.喉仏は喉頭の前上方にあります.しっかり喉仏を触ると真ん中が縦に割れているのが確認できます.
③舌骨を探す.
硬く触れる部分が舌骨です.舌骨は名前の通り、舌に近い部分にあります.親指と人差し指でつまむ様に触ってください.
④ごっくん筋を探す.
ごっくん筋(顎ニ腹筋)は飲み込む時に喉仏を引っ張り上げる筋肉です.親指で顎の下のくぼみの部分を触ってみましょう.飲み込む時に硬くなるのを確認しましょう.
チェック1
30秒間で6回以上飲み込むことができるかやってみましょう.
飲み込む動作を繰り返して行えるかをチェックします.唾液を繰り返し飲んでみましょう.飲み込み力が弱くなると、ごっくん筋が疲れて続けて飲み込みにくくなります.数回飲み込むと、口の中の唾液がなくなりますが、そのまま飲み込む動作を続けてください.口の中に何かないと飲み込む動作ができない人もいます.
次回は実際に飲み込む方法をお伝えしていきます.
「参考文献 メイツ出版 のどを鍛えて誤嚥性肺炎を防ぐ 嚥下トレーニング」