高齢者や要介護者の口腔ケアについて

こんにちは大郷町歯科医院、歯科衛生士の高橋です。

2月になって立春も過ぎ少しずつ春の気配を感じる季節になりましたが、まだまだ寒い日が続いて春の訪れが待ち遠しい毎日です。夕方に報告されるコロナウイルス罹患者数も更新する日が続き、明日は我が身の気分です。まずは感染予防対策の徹底ですね。

さて、今回は「高齢者や要介護者の口腔ケア」について書かせていただきます。

「口腔ケア」は誰にでも必要なことで、とても大切なことです。なぜなら口は身体の一部であり、食べたり、人と話したりすることで体力の維持向上や健康な身体の保持、また人とのコミュニケーションを図ることで豊かな生活を送ることができるからです。その大切な口の中は食べ物の入り口ということもあって栄養と適度な温度、唾液による湿度が保たれているため、細菌が繁殖しやすい場所となります。そのため、虫歯や歯周病の原因となるばかりではなく飲み込む機能が低下している高齢者や要介護者にとっては、細菌が肺の中に入ることによる誤嚥性肺炎を引き起こす原因にもなります。高齢者や要介護者にとってはこの誤嚥性肺炎は死に繋がることもあるのです。口腔内を清潔に保つことは最も重要な予防のひとつとなってきます。

では、自分で口腔内をきれいにすることができない高齢者や要介護者の方の口腔ケアはどのようにして行えばよいのでしょうか。はじめに口の中のおおまかな汚れを取り除きましょう。うがいができる人にはうがいをしてもらいましょう。この際、むせたり誤嚥したりする恐れもあるので口の中に入れる水の量に十分注意をして行いましょう。うがいをすることの声掛けも忘れず行っていきましょう。うがいができない場合は、スポンジブラシ(水気は十分に取りましょう)や口腔用ウエットテッシュで拭きとりましょう。次に歯がある人はハブラシを使って歯の汚れをとりましょう。歯と歯ぐきの境目にハブラシの毛先をあて小さく動かしやさしく丁寧に磨きましょう。可能であれば、歯と歯の間に歯間ブラシも使っていきましょう。歯みがきをしている際には、要介護者の表情をよく観察し常に声掛けをしながら行っていきましょう。歯みがきした後にはうがいをしてもらいましょう。また、歯がない人は、スポンジブラシで粘膜をきれいに拭き取ったり、舌ブラシを使い舌の汚れも取っていきましょう。入れ歯を使っている人は、入れ歯の清掃も忘れず行っていきましょう。口腔ケアを効果的に行うためには、ハブラシの他にスポンジブラシや歯間ブラシ・舌ブラシや指ガード等の補助的用具の活用も重要です。口腔ケアはお口の中がきれいになるだけではなく、飲み込みやむせる等のお口の機能の改善にも繋がるので無理なく継続する事をお勧めします。