歯肉炎について

あけましておめでとうございます。大郷町歯科医院、歯科衛生士の高橋です。

年が明け皆さんはどのような新年を迎えましたか?昨年はコロナ禍で外出する人も少なく、家でのんびりとしたお正月だった方が多かったと思われますが、今年は同じコロナ禍でも外出や帰省する方も多く、昨年とはちょっと違って少しにぎやかなお正月を迎えることができた方が多かったのではないでしょうか。オミクロン株の感染者も日々増えつつあり、まん延防止等重点措置が発令された県もあります。まだまだ油断できる状態ではないのでこれまで以上にしっかりと感染対策を続けていきましょう。

さて、今回は「歯肉炎」について書かせていただきます。

 

「歯肉炎」とは歯周病の初期段階の症状です。そのため痛みなどはほとんどなく気づかず進行してしまうことが多い疾患です。現在歯周病は成人の3人に2人が罹患しているといわれているのです。初期症状の「歯肉炎」とは歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目がきれいに磨かれず汚れ(歯垢)と細菌の塊が溜まっていることにより細菌が繁殖し、細菌による毒素で症状が出る状態をいいます。歯ぐきが赤く腫れブヨブヨとした状態になったり、歯みがきした時に歯ぐきから出血したりします。また汚れ(歯垢)をそのままにしておくと歯石となり歯周病が進行する原因にもなります。

では「歯肉炎」になってしまったらどのような治療が行われるのでしょうか。まずは、お口の状態を把握するために検査を行います。歯周ポケット(歯と歯ぐきの隙間の深さ)の測定、レントゲンによる歯石の付着状況と歯槽骨(顎の骨)の状態の確認をします。磨き残しのチェックを行い、正しい歯みがきの仕方の指導や歯垢(プラーク)及び歯石の除去も行ってお口の環境を整えていきます。

「歯肉炎」の治療や予防で最も大切なのは毎日の歯磨きです。歯垢をきれいに落とすことができる正しい歯みがきの仕方をマスターし日々実践する事がとても大切となってきます(セルフケア)。ハブラシが届かない所は補助的用具(歯間ブラシ・糸ようじ等)も併用して行っていきましょう。しかしながら、100%完璧に磨くのはとても難しいことです。特に歯と歯の間や奥歯の裏側、歯並びが悪いところ等はどうしても磨き残しが出てしまいがちです。自分でなかなか磨けないところは定期的な歯のクリーニング(プロケア)で汚れをとり、また歯ぐきの検査も行って初期の段階の歯肉炎を見逃すことがないようにしていきましょう。