口腔外科疾患

こんにちは。大郷町歯科医院の橋本です。

突然ですが、歯科には3代疾患と言われる物があります!それは、齲蝕(虫歯)、歯周病、顎関節症です。顎関節症は聞いた事が無い方も多いかもしれませんが…(顎関節症の話はこちらから)、齲蝕(虫歯)と歯周病は皆さん良く御存知かと思います。実は、歯科に来る患者さんの多くは、この3代疾患で事が済んでしまいます。

が…、この3代疾患では、事が済まない、その他のケースも当然あるわけです。

最近、その他のケースの患者さんに数多く遭遇するので、その他のケースについてお話しておきたいと思います。勿論、全部の病気を一つずつ説明する事は出来ませんので、概要についてのみ話していきます。

まず、先に言っておかなければいけないのは、一般歯科では多くのケースに対応不可能です。歯科医院に行く事は正解ではありますが、そこから歯科口腔外科や耳鼻咽喉科等に紹介ということになります。我々、一般歯科医は異常を発見し、疑い病名を付け適正な科に紹介する事が限界で、実際の検査や処置に関しては手が出せません。

というわけで、どんな系統の病気があるか…簡単に説明しておきます(最近、症例として多かったもののみ記載)

①腫瘍性病変(前癌病変、前癌状態含む)…口腔内に出来る腫瘤や潰瘍のことです。悪性も良性も有るわけですが、口腔内の腫瘍の多くは良性です。口腔内の腫瘍は直視できるので、その形状や特性から一般開業医でも良性と悪性の鑑別は容易と思われます。部位によりますが、耳鼻咽喉科や口腔外科、頭頸部外科、顎顔面外科等に紹介となります。

②唾石…以前、お話していたと思いますが、一言で言うと唾液腺に石が出来てしまう病気です。食事中等に強い痛みを覚えることもあります。耳鼻咽喉科か口腔外科への紹介が一般的です。

③副鼻腔炎(上顎洞炎)…鼻腔のお友達のような物が、丁度鼻の両サイドにあるのですが、そこに炎症が起きてしまう病気があります。階段の昇り降り等の振動で痛みを覚えたりするようです。歯科由来のものもありますが、体感上は鼻腔由来の物が多いと思います。鼻腔由来の物は、当然耳鼻科に紹介となります。歯科由来の物は一般歯科での治療で改善が見込めます。

④神経疾患…神経痛や神経麻痺等ですが。圧倒的に多いのは、三叉神経痛です。顔面の感覚神経に異常が起き、突然顔面に電気が走る様な痛みを覚えます。患者さんは歯が原因だと思って歯科医院に来ますが、歯痛とは明らかに異なりますので鑑別も困難ではありません。昔は口腔外科へ紹介をしていましたが、最近はペインクリニック科(麻酔科)へ紹介状を出しています。

まだまだ、3代疾患以外の病気はありますが、キリが無いのでこの辺りで終わりたいと思います。