顎関節症分類

こんにちは。大郷町歯科医院の橋本です。

最近、顎関節のトラブル…即ち顎関節症の患者さんが複数名来院されましたので、今日は顎関節症について記載をしていきたいと思います。

顎関節症にも、様々なタイプがあります。今日は、その分類についてのみ記載したいと思います(治療法等の記載をすると長文になりますので)。文章のみで分かり難くて申し訳有りません。。。

 

顎関節症Ⅰ型…顎関節周囲の筋障害

咬筋、側頭筋、内側翼突筋、外側翼突筋からなる咀嚼筋及び周囲の関連筋(胸鎖乳突筋等)が緊張して硬くなり血液の循環が悪くなるために、痛みを生じるタイプ。痛みは鈍く部位を特定しにくい。また、押すと強く痛むトリガーポイントというしこりができることがあります。開口障害(口が開きにくくなる)はあまり顕著ではありません。レントゲンでも異常は無く、口の開け閉めでクリック音(後に記載)は発生しません。よく、頭部、首、肩など離れたところに関連通と言われる痛みが出る事があります。頭痛の原因が実は顎関節症だった…なんて、意外と多く聞く話です。

 

顎関節症Ⅱ型…関節包・靱帯の障害

顎関節の関節包や靱帯などの線維組織に力が加わって捻挫を起したようになり痛みを生じるタイプ。個人的には、Ⅰ型と区別がし難いです。レントゲンでもやはり異常はなく、口の開け閉めでクリック音(後に記載)もありません。

 

顎関節症Ⅲa型…関節円板の障害(口を開けたときには関節円板が本来の位置に戻るタイプ)

関節円板が本来の位置から前にずれたままになってしまう状態で、口を閉じたとき本来は下顎窩の中にあるべき関節円板が、下顎窩の前方にズレて出てしまっている状態。口を開けようとすると回転して前にすべり出してきた下顎頭が関節円板の下に強引にもぐり込み、上に乗せたときに「カクン」と音が出ます(クリック音)。口を閉じるときに下顎頭から関節円板が外れるときも同様に音が出る。顎がカクンやガクッと音がする方は殆どコレです。レントゲン所見で異常は殆どなく、疼痛も伴わない事が多いです。

顎関節症Ⅲb型…関節円板の障害(口を開けたときには関節円板が本来の位置に戻らないタイプ)

Ⅲa型が進行したタイプです。口を開けようとするとき前に出ようとする下顎頭が関節円板の下にもぐり込めなくなり関節円板を上に乗せられなくなります。こうなると関節円板が邪魔して下顎頭が下顎窩の前に出られなくなるので、口が大きく開けられなくなります。クリック音は一転して消えます。原則として、口を開けると疼痛を伴います。

顎関節症Ⅳ型…変形性関節症

顎関節に繰り返し強い負荷がかけられたり、長い間続いたときに、下顎頭の表面が吸収されてその回りに新しい骨がつくられることがあります。口を開け閉めすると「ゴリゴリ」「ジャリジャリ」といった音(クレピタス音)があります。口の開く量自体が減少し、疼痛を伴う事が多いです。レントゲン所見でも異常が見られます。

因に、Ⅴ型なるものもありますが、特殊なタイプになりますので、ここでは記載しません。。。