光照射器とは?

みなさん、こんにちは。
大郷町歯科医院、院長の室月です。

歯科医院でむし歯を削った後、「青い光のようなもの」を歯に当てられた経験はありませんか?
これは「光照射器」と呼ばれる歯科用機器です。
主にコンポジットレジンなどの光重合型材料を硬化させるために使用されます。

コンポジットレジンは、前の記事でも書いたようにむし歯を削った部分に直接充填できる白色の歯科材料です。
審美性に優れ、必要最小限の歯質削除で治療できるというメリットがあります。

一方で、充填しただけでは硬化しません。
材料に含まれる光重合開始剤に一定波長の光を照射することで重合反応が起こり、硬い状態へと変化します。
このとき使用するのが光照射器です。

現在の歯科医院で広く使用されているのはLEDタイプの光照射器です。
多くの製品では青色光を利用し、光重合開始剤であるカンファーキノンなどを励起することで、レジンモノマーの重合反応を進行させます。

ただし、「光を当てれば必ずしっかり固まる」というわけではありません。
重要なのが光の強さ(光強度)、照射時間、照射距離、照射方向です。
例えば、照射器の先端がレジンから離れていると、材料に到達する光量が低下します。
また、光照射器を斜めから当てた場合も、十分な光エネルギーが届かない可能性があります。

そのため、可能な限り照射器の先端を修復材料に近づけ、適切な方向から照射することが重要です。

最近の光照射器には、高い光強度を持つハイパワータイプもあります。
しかし、単純に光強度が高ければよいというわけではありません。

コンポジットレジンは重合するときに重合収縮を起こします。

急激に重合反応を進めることで、歯質とレジンの界面に応力が生じる可能性があります。
そのため、材料によっては照射モードや照射時間を考慮しながら使用する必要があります。

また、レジンを一度に厚く充填すると、光が深部まで十分に届かず、内部の重合が不十分になる可能性があります。
そこで臨床では、レジンを一定量ずつ積層して充填し、それぞれの層を適切に光照射する「積層充填」が行われます。

光照射器は使用しているうちに、照射部の汚れやレジンの付着によって光量が低下することがあります。
また、機器そのものの経年劣化によって性能が変化する可能性もあります。
そのため、照射器の先端を清潔に保つだけでなく、必要に応じて光量測定器などを用いて出力を確認することも重要です。

コンポジットレジン修復の成功には、材料の選択や接着操作だけでなく、最後の「光照射」も大きく関係しています。
普段何気なく受けている数秒間の青い光には、実はレジンを適切に硬化させるための重要な役割があります。
歯科治療において光照射器は、コンポジットレジン修復の品質を支える、非常に重要な機器の一つなのです。