口呼吸について

皆さん、こんにちは。
大郷町歯科医院、院長の室月です。
今日は口呼吸についてお話しできればと思います。
口呼吸とは、「鼻腔の代わりに口腔を介して、行われる習慣的な呼吸のこと」です。
鼻腔の重要な機能は肺で利用するための空気を準備することであり、温度や湿度の調整やほこりなどの異物の除去などを行うことです。
本来、口腔を介した呼吸は補助的なものであり、鼻呼吸のかわりに口呼吸が主に行われるようになると、様々な問題が生じてきます。
口呼吸による障害として、唾液の自浄作用が低下し、プラークの形成が促進されることにより、歯周病や齲蝕に罹患しやすくなることが挙げられます。
また、主に上顎の前歯の歯肉に炎症を引き起こすことや、さらに口呼吸が顔の形態や歯の位置に影響を及ぼすこともあります。
口呼吸の原因として、鼻閉塞などの鼻腔の異常と口唇閉鎖不全を引き起こす口腔の異常が挙げられます。
それぞれ、鼻性口呼吸、歯性口呼吸、そして原因となる鼻腔や口腔の異常が認められない習慣性口呼吸に分類できます。
このほかに鼻や口などの願望の形態に関する遺伝因子の関与も考えられます。
口呼吸の治療に際して、まずそれらの原因を見つけることが重要となります。
また近年、口唇閉鎖不全は増加傾向にあると言われています。
これは将来の歯周病やその他の歯科疾患のリスクファクターをもつ人口が増えることを意味していて、これらの疾患の予防としては、学童期からの口呼吸検査が今後必要になってくると考えられます。
それでは、それぞれの呼吸法での治療法を見ていきましょう。
①鼻性口呼吸の治療法
鼻性口呼吸の主な原因は鼻が詰まっていることであり、その多くは近年患者数が増大しているアレルギー性鼻炎や蓄膿症といわれる慢性鼻炎や慢性副鼻腔炎、鼻中隔彎曲によるものです。
また咽頭扁桃の腫脹や口腔扁桃肥大、アデノイド肥大なども原因として挙げられます。
小児期にこれらの疾患があると多くの場合、口呼吸をすることになり、アデノイド顔貌にみられるような鼻腔や歯並びの発育異常を引き起こしやすくなります。
こうした場合は、耳鼻科受診をお勧めします。
耳鼻科的な疾患が改善することにより、歯周炎をはじめとする歯科疾患の予防にもなります。
いかがでしたでしょうか。
次回は、歯性口呼吸の治療法と習慣性口呼吸の治療法についてお話しできればなと思います。
もうそろそろ今年も終わりです。
来年も皆さんのお口の健康を守るべく、お手伝いさせていただければと存じます。