みなさん、こんにちは!
大郷町歯科医院、院長の室月です。
暑い日や、涼しい日が交互に続きますね。
季節の変わり目、体調を崩さぬように気を付けましょう!
さて、いきなりですが、皆さんは子供の頃に空きっ歯だった記憶はありませんか?
あるいは、現在お子さんが空きっ歯という方はいらっしゃいませんか?
先日、お子さんの空きっ歯が気になるという患者さんが来院されました。
このまま空きっ歯のまま、成長するのではないか?と不安ですよね。
今日は、空きっ歯になる理由と、どのような場合が経過観察でよくて、どのような場合に治療を介入した方がいいのかお話しできればと思います。
まず小児の場合、実は歯並びにおいて、前歯同士や、前歯と奥歯の間には隙間が存在することが多いです。
この隙間は、歯の交換に対して有効であると考えられています。
特に前歯の交換については、歯の幅が小さい乳歯に対して、歯の幅が大きい永久歯に生え変わる際に、歯並びがガタガタにならないようにするために、この隙間は有効だとされています。
ここで歯の隙間に対しても何種類かありますので、ご紹介致します。
①霊長空隙(れいちょうくうげき)
乳歯の歯並びにおいて、上顎では前から2番目と3番目の歯の間、下顎では前から3番目と4番目の歯の間にある隙間です。
霊長類に共通して、見られる隙間なので霊長空隙という名がつきました。
この隙間は、前歯の生え変わりの際に、咬み合わせの調整する余地を与えているといわれています。
②発育空隙(はついくくうげき)
乳歯の歯並びに見られる霊長空隙以外の、隙間のことを発育空隙といいます。
これらの隙間を持っている歯並びを「有隙型」といい、隙間が全くない歯並びを「閉鎖型」といいます。
閉鎖型の歯並びだと、永久歯に生え変わった時にガタガタの歯並びになってしまう可能性があります。
このような場合は、歯の大きさに対して、顎の大きいが小さいということが考えられ、今後歯の生え変わりに際して、経過を追っていく必要があります。
③みにくいあひるの子の時代
今まで、お話しした歯の隙間とは少し違うのですが、上の前歯の永久歯がハの字に生えてきて、空きっ歯になっているというお子さんがかなり見受けられます。
実は、このような状態は一見異常に見えますが、歯の生え変わりの正常な過程での現象であることが多いです。
これは2番目や3番目の歯が生えてくると、1番目の前歯が押されて、自然に閉じてくるといわれています。
このような時期を「みにくいあひるの子の時代」といいます。
しかし、前歯の隙間が閉じないというケースがあります。
・過剰歯がある場合
前歯の歯と歯の間に、過剰歯がある場合、隣の歯から押されても物理的に前歯が閉じることができません。
過剰歯に関しては埋まっていることも多いので、お子さんといえど定期的にレントゲンをとって、確認する必要があります。
もし、過剰歯が歯並びに影響すると考えられた場合、大学病院などの専門機関で抜歯を行うなどの治療をご提案することがあります。
・上唇小帯が高位の場合
前歯の歯と歯の間に上唇小帯という軟組織が入り込んでいるケースがあります。
この場合も、隣の歯から押されても物理的に前歯が閉じることはありません。
この時も、この上唇小帯が歯並びに影響していると判断した場合は、専門機関などで、上唇小帯を切ってもらうようご案内することがあります。
さて、空きっ歯にも様々な種類があることをお話ししてきました。
もし、「この隙間はどれに当てはまるのだろう?」「歯並びこのままで大丈夫なのかな?」など、少しでも疑問がありましたら、お気軽に我々歯科医師にお尋ねください。