歯周病と全身疾患の関係について

こんにちは。大郷町歯科医院、歯科衛生士の高橋です。

8月に入りましたがいかがお過ごしですか。コロナウイルス第7波の感染拡大も収まる気配もなく気の抜けない毎日を送っていることと思われます。また、異常気象の影響なのでしょうか各地で被害が出るほどの大雨となり被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。久しぶりに行動制限のない夏となり風物詩でもある夏祭りや花火大会が各地で行われており賑やかさが戻りつつあります。これからお盆を迎えるにあたり帰省する方も多いと思われますので引き続き感染予防対策をしっかり行い楽しい夏休みをお過ごし下さい。

 

さて、今回のブログは、歯周病と全身疾患の関係について書かせていただきたいと思います。

 

初めに歯周病について説明させていただきます。

歯周病とは、口腔内の細菌(歯周病菌)と口腔内の汚れ(歯垢)が原因となり歯ぐきの腫れや出血が起こり炎症が進むと、歯を支えている骨(歯槽骨)が無くなったりするという慢性の炎症性疾患です。最終的には歯が抜けてしまうので、食事や会話、審美的にも影響が出て、日常生活に支障が生じます。軽度の歯肉炎を含め成人の約8割の方が罹患していると言われています。

 

次に、歯周病と全身疾患の関係についてお話します。

 

①糖尿病

・細菌に関する抵抗力の低下や口の渇きが歯周病を悪化させる原因となる

・歯周病により歯周ポケットから出た炎症物質が、血糖値を下げる働きをするインスリンを効きにくくするため、糖尿病の発症及び進行を促進する

 

②心臓病

・歯周病菌が血流にのり心臓の血管壁が炎症を起こすため、炎症部分が動脈硬化を起こし心筋梗塞や狭心症の原因となる

 

③肺炎

・唾液等を介して歯周病菌が肺に入ることで炎症を引き起こす一因となりうる

 

④早産による低体重児出産

・妊娠すると女性ホルモンの中のひとつが歯周病菌の増殖を促したり、また、つわり等で食生活が不規則になり口腔内の清掃状態が悪くなると歯周病にかかりやすくなる

・歯周病にかかると、歯周病から出る炎症物質や歯周病菌の毒素が子宮の収縮を促進させる働きがあり早産になるリスクが高くなる

 

上記のことから、歯周病は歯に関する疾患だけではなく、全身に影響を及ぼす疾患であることが解ります。

 

歯周病の初期は自覚症状があまりないため、罹患していることに気づかず進行してしまうことがよくあります。初期の段階では、歯磨き等での改善が期待できますので、初期の歯肉炎等を見逃さないためにも、定期的な検診をお勧めいたします。