歳を取ると歯並びが変わる?②

続きです。

③もとの歯並びがよくない

永久歯に全て生え変わったとき、歯が重なって生えている、前歯が噛んでいなくて隙間があいている、内側に引っ込んでいる歯がある、八重歯がある…など、もとの歯並びが一般的に良いとは言えない状態を歯列不正と言いますが、この状態だと、一部の歯に負担がかかり、噛み合わせが安定せず、時間が経つと歯並びがどんどん崩れていきます。

④治療を中断する

1回で終わる樹脂の詰め物は問題ありませんが、むし歯が進行し、神経を取る治療になると、根っこの中をキレイにする治療を数回繰り返します。その治療をしている間、歯は周りの歯よりも削って低くなっています。その時点で周りの歯への負担が増えていますが、根っこの治療を中断し、長い間その状態になると、周りの歯は負担をし続けてしまいます。そうすると、①と同じ理由で歯は動いていきます。また、歯を抜いたあとの放置もそうです。むし歯や歯周病で歯を抜いたあと、それで終わってしまっていませんか?歯を1本でも抜くと、詰め物や被せ物をしたときよりも、周りの歯が動きます。歯は、上下で対になってその場所に留まっています。どちらかがなくなると反対側の歯はそこに向かって動き、隣の歯もないところに倒れていきます。そうすると歯並びが変化していきます。

⑤歯ぎしりやくいしばり

歯ぎしりやくいしばりは、成人の方はほとんど行っているそうです。人によって程度は違います。特に何も問題ない方もいらっしゃれば、歯がしみる、痛い、すり減る、割れる、顎が痛いなど症状がある方もいらっしゃいます。歯ぎしりやくいしばりにより、歯はすり減っていき、銀歯などすり減りが少ない歯に力は集中し、噛み合わせが変わっていきます。寝ているときに歯ぎしりやくいしばりをしている方はマウスピースの装着をオススメします。(歯科医院で作成できます)

以上の理由で、歯は一生動き続けますので、年齢を重ねていくと、歯並びは若い頃とは違ってしまうのです。

それを予防するには、今挙げた問題が起こらないようにするため、また起きてもすぐ対処できるように、定期検診を受けることです。

むし歯や歯周病を予防すれば、詰め物をすることもないですし、歯周病の進行を遅らせることもできます。歯ぎしりやくいしばりをしていれば早期にマウスピースなどの対処をすることができます。

変わってしまった歯並びを元に戻すことは、矯正治療をする以外、方法がありません。しかし、年齢的に今から矯正治療をしても…お金がかかるし…という方はこれ以上悪くならないよう、しっかりと予防をしましょう!!