嚙むことの大切さについて

みなさんこんにちは。大郷町歯科医院、歯科衛生士の高橋です。

10月に入っても日中の最高気温が25度を超える日もありましたが、朝晩は肌寒さを感じるほど秋が深まってきているように感じます。これからの季節は温かい物が食べたくなってきますよね。寒さが苦手な私にとっては、今の季節が続いて欲しいと思うばかりです。

さて、今回のブログは、【噛むことの大切さ】について書かせていただきます。

 

小さい頃、食事をする時に「よく噛んで食べなさい」と言われた記憶が誰にでも少なからずあると思われますが、なぜよく噛んで食べることが大切かについて説明させていただきます。

 

①よく噛んで食べることで食べ物が小さく砕かれ、消化酵素が含まれた唾液と混ぜ合わせることで胃腸への負担をやわらげて消化を助ける。

②よく噛んで食べることで唾液の分泌が活発となり、唾液によって口の中の汚れをきれいにする。また唾液の中の成分には虫歯や歯周病の原因菌と戦う酵素(オキシダ-ゼ)が含まれており、虫歯や歯周病の予防にも繋がる。

③よく噛んで食べることで脳が刺激され、血行がよくなることで脳に栄養が行き届いて脳の機能が活発になる。注意力や集中力またバランス能力も保たれ転倒予防にも繋がる。

④よく噛んで食べることで食欲抑制のメカニズムが働き、食べ過ぎ防止になってダイエット効果に繋がる。

⑤よく噛んで食べることで唾液中の酵素(オキシダ-ゼ)が食べ物の中の発がん性物質がつくる活性酵素を消す作用があると言われているため、癌の予防にも繋がる。

⑥よく噛んで食べることで口の周りの筋肉が刺激され血行が良くなることで視力の低下を抑えることにも繋がる。

⑦よく噛んで食べることで顎の発達が良くなり、歯並びが悪くなる予防に繋がる。

 

上記のことで「噛むことの大切さ」を理解していただけたと思いますが、今の私達は時間に追われた生活で食事の時間も短くなり、噛むことを忘れ、ともすればあまり噛まなくても済むような食材を選択する傾向もあるように思われます。

 

よく噛んで食事をし、その効果を期待するにはまず歯がきちんと残っている必要があります。歯ごたえのあるものをしっかり噛んで食べるためには、最低18本の歯が必要だと言われております。1989年より国と日本歯科医師会が8020運動を推進していますが、これは「80歳になっても20本以上自分の歯を保とう」という運動です。20本以上あれば満足した食生活を送ることができるそうです。人生100年の時代です。豊かな生活を送るためにも「よく噛んで食べる(一口30回)」ことを意識しながら、また「8020」を目指すためにも歯科医院での定期健診を行っていきましょう。