健康について 排泄編3

皆さんこんにちは。大郷町歯科医院の院長、嶋です。

 

最近皆さんはサッカーを観ていますでしょうか?今日本代表の久保健英選手の活躍が注目されていますね。若干18歳にてA代表デビュー。ユース時代はFCバルセロナに所属し2016年にはFC東京に所属、そして今年名門のレアル・マドリードに移籍。5年契約で年俸1億2000万円との噂が流れましたね。そしてコパアメリカ大会ではあと一歩でトーナメント進出はできませんでしたが素晴らしい活躍でしたね。これからも応援していきたいです。

 

さて健康についての高齢者の基本的な4つのケア(「水分」「栄養」「運動」「便通」)について7回に分けてお話しさせていただきました。今回で最後になります。
今回は排泄の中の排尿に関してお話しさせていただきます。

 

排尿問題の中で一番問題になるのは「尿失禁」です。これは尿意のあるものと尿意のないものとに分かれます。
尿意のあるものには「切迫性尿失禁」という急に強い尿意を感じ、我慢ができず漏らしてしまうもの、「腹圧性尿失禁」は咳・くしゃみ・立ち上がり時に腹圧がかかり漏らしてしまうもの、「溢流性尿失禁」は糖尿病や前立腺肥大などで適切な排尿が行われないと膀胱に尿が溢れてその一部が漏れてくるもの、「機能性尿失禁」は認知症などで尿意はあるもののトイレの場所がわからず漏らしてしまうものです。細かく分類はありますが大きく分けると4つになります。

 

そして尿失禁の中で特に頭を悩ます問題としては尿意がない失禁です。「オムツ性失禁」とも言われオムツを使うということはいつでもどこでも排泄可能だということである。つまり頭で考えることなく脳からの命令もなく出てしまうのだ。

 

これらの対策としては原因となる疾患があるものはそれの治療を優先して行うことが大切。
また水分と歩行を充分行うことが大切になってくる。特に昼間のトイレに行く回数を多くすることで夜間の排尿を減らしていければ失禁の機会を少なくしていけるかもしれません。

 

ところでなぜ高齢者は夜間の排尿回数が増えるのか?

 

これは血液の循環機能が衰えることによるものだと言われています。心臓の力が弱まってきて筋肉も無くなってきているので全身に血液を循環させる力がなくなり重力によって血液は下半身に溜まってくる。これが足がむくむ原因である。また夜は体を横にするので血液の循環は緩やかになるためあまり心臓の力がなくても全身に血液が循環していく。ちなみに尿は腎臓で作られ、尿量は腎臓を流れる血液量に影響される。その為日中は重力の抵抗で相対的に少ない腎血流量では尿量は少なく、夜間に多くなった腎血流量により尿量は多くなり排尿回数が多くなってしまう。

 

大切なことは「水分」と「歩行(運動)」と「良眠」である。

 

大分、歯のことから遠ざかってしまいましたが健康に、そして長生きして行くためには大切なことなのでお話しさせていただきました。
自分達は歯のことだけでなく全身の健康も考えて診療にあたっております。健康の入り口は口からとも言われています。お口のことで気になることがありましたら是非当院へお越しください。

 

【参考文献】 新版 介護基礎学 高齢者自立支援の理論と実践  著者 竹内 孝仁   医歯薬出版株式会社