唾液の作用について

こんにちは。大郷町歯科医院、歯科衛生士の高橋です。

 

3月も残すところあとわずか。4月からは新年度がスタートしますね。新しい環境での生活が始まる方は、ドキドキの毎日だと思います。気候もだんだんと暖かくなってきて、季節も「春」へ。ワクワク・ウキウキな日々になるよう願っています。体調を崩さず頑張っていきましょう。

 

さて、今回のブログでは「唾液の作用」について書かせていただきたいと思います。

 

1日に1.0リットル~1.5リットル分泌されるという唾液ですが、その唾液が

どれほど重要な役割を果たしているかみなさんご存じでしょうか。デンプン

を糖に分解するいわゆる消化作用だけでなく、以下に示すように、唾液にはさま

ざまな作用があります。

①潤滑作用

食べ物を噛む・飲み込む動作をしやすくしてくれます。

②洗浄作用

歯の表面や歯ぐきに残る食べかすを洗い流してくれます。

③保護作用

唾液に含まれているたんぱく質による膜が、歯の表面を保護してくれます。

④緩衝作用

食事によって歯を溶かす酸性となった口腔内を中性にしてくれます。

⑤抗菌作用

唾液に含まれる抗菌物質が、菌の繁殖を抑えてくれます。犬などの動物が傷口を

なめるのもこれによるためです。人の口腔内にできた傷も唾液により感染症に

かかりにくくなります。

⑥虫歯を予防する作用

フッ素、カルシウム、リン酸イオンなどの唾液に多く含まれている物質が、虫歯

防ぐ働きをしてくれます。

上記に示したように、唾液は非常に重要な役割を担っていることがわかります。

 

そのため、唾液が少ない状態(ドライマウス)になると、口臭がしたり、食べ物

(特にパサパサした乾燥状態のもの)をうまく飲みこめない摂食嚥下障害や口

腔粘膜感染症にかかりやすかったり、乾燥しているため口の中が不快に感じた

り、また舌に痛みを感じたりと様々な弊害がもたらされます。口が乾く・ねばね

ばする・しゃべりにくい等の症状がある場合は要注意となります。

予防の意味でも日ごろからよく噛んで食事をすることを心がけましょう。

 

処方され、日頃服用している薬によってドライマウスが引き起こされている可

能性もあります。お医者さんや薬剤師さんに相談してみると良いと思います。

 

ドライマウスを緩和させる方法としては、アルコールやたばこ、塩分が多い食べ

物を控えたり、部屋の空気を乾燥させないように加湿器を用いることなどが挙

げられます。ぜひ参考にしてみてください。

 

 

【参考文献】

熊谷崇・秋元秀俊(2003)『「歯科」本音の治療がわかる本』法研.

 

「唾液の働き」

https://www.kao.co.jp/clearclean/oralcare/basic/03/〉,2019年3月24日アクセス.

 

「e-ヘルスネット 唾液分泌」

https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/alcohol/ya-004.html〉,2019年3月24日アクセス.

 

「唾液はどれくらい大事なの?」

https://japan.biotene.com/dry-mouth-health-impacts/dry-mouth-saliva.html〉,2019年3月24日アクセス.