健康について 水分編

皆さんこんにちは、大郷町歯科医院の院長、嶋です。

 

そろそろ3月も終わりに近づいて新入生は次のステップに向けて準備に忙しい時期でしょう。
準備万端に整えたつもりでもいざ新生活が始まるとあれが足りない、これが足りないとなる事があります。でもある程度まででも準備していると心にも余裕が出て来ますよね。新生活は心に余裕を持って挑みたいものですね。

 

さて前回は健康の水分についてお話ししました。今回も水分のことをお話しします。
前回、1日の取る水分量を約1500ml以上取るようにしましょうとお伝えしました。

 

1日に1000ml以下の介護施設ではコミュニケーションが取れない状態があり、1300mlぐらい取れている介護施設では挨拶の返事が増えて来て、1500〜1800ml以上取れている介護施設では挨拶の後、会話が成り立ち、笑い声まで出ているとの報告もあるとのこと。
高齢者になるとせいぜい1日2200〜2300mlぐらいが限界ではあるが、少ないよりかは多いに越したことはない。

 

水分の欠乏による障害としては1〜2%の欠乏では意識障害、2〜3%では発熱や循環器障害が起こりやすくなります。水分が少なくなり血液が濃縮された状態になり流れが悪くなるからです。動脈硬化が進んでいると脳梗塞の危険があります。高齢者で多い疾患だが特に明け方に多いのは睡眠する前に十分な水分補給しないまま不感蒸泄で水分が発散し続け、明け方に水分欠乏がピークになるからだと言われています。さらに5%の欠乏では歩行困難になり転倒骨折のリスクが生じ、7%の欠乏でははっきりした幻視、幻聴が生じてきます。

 

その他の障害として、便秘や尿失禁もそのうちに入ります。またむせなどの摂食嚥下障害もこれが一部が該当してきます。

 

では実際はどのようにしたらいいのか?
例えば、1日の量を言うと起床時から夕食時までに飲んでもらう量としては1500mlで糖尿病や利尿剤を飲んでる人は水分の排出量が増えるので1800ml必要になる。
飲ませるタイミングはもっとも水分が不足している起床時が良い。そして午前中には1日量の半分以上飲んでもらう。
飲む物は出来れば水や麦茶、ほうじ茶がお勧めするが、コーヒーや紅茶などカフェインが含まれ利尿作用があるが気分転換にはいいと思います。その時には少し多めにお水などのカフェインレスの飲み物を摂取してみてください。

 

次回は栄養についてお話しさせていただきます。

 

【参考文献】 新版 介護基礎学 高齢者自立支援の理論と実践  著者 竹内 孝仁   医歯薬出版株式会社